街の美容室vol.17 月島
−月島のお客さまの特徴はありますか?
40代以上の方が多いです。お子さんは小学生から中学生以上といった年齢で、家族ぐるみで通ってくださいます。男女比は半々といったところですね。近隣のマンションを購入されている方が多いので引っ越しもなく、安定しています。
オーダーは、子育て中心の忙しいライフスタイルに合わせ、手入れしやすいスタイルがメインです。ご自身の好みを確立されている方が多いので、長年やってきたスタイルの中でも扱いづらいところを聞き出して、より手軽に手入れができ、トレンドを取り入れたスタイルづくりを提案しています。
−月島の魅力とは、どこにあると思われますか?
何より、住んでいる方が魅力的です。いま、産休をとっているスタッフがいますが、近隣に住んでいるお客さまが子育てに必要なものをいろいろと持ってきてくださって…家族的で、すごくあたたかいんです。
このあたりは新しく個人の飲食店ができることも多く、自分も店を構える大変さを経験しているので、応援したくなりますね。気に入っている焼き鳥屋さんがあったのですが、そこは「Conneru」と同じタイミングで開店したので応援したいなと思い、お客さまに「おいしいからぜひ行ってみて」と勧めていたんです。するとあるとき、そこのオーナーさんが「最近お客さまが増えたので、どこでうちを知ったのか聞いたら、みんなこちらの美容室だとおっしゃって」ときてくださいました。それから一緒に食事をするようになり、親しくさせていただいています。
少し行ったところには、有名な佃煮屋さんやお箸屋さんがあったり、銭湯や駄菓子屋さん、お神輿の展示があったり、下町らしい風景がたくさんあります。その一方で近代的なタワーマンションが立ち並び、新旧の風景が混在しているのがおもしろいですね。
「Conneru」を開店して5年目になりますが、人と人とのつながりの大切さを改めて感じているところです。店名の「Conneru」(コネル)には、お客さまとしっかり「コネクト」するという意味と、どんな髪型にするかをお客さまと一緒に「練り合わせる(捏ねる)」という意味を込めています。そうした軸になる部分を大切に守りながら、お客さまから何でも気軽に相談していただけるような信頼関係を築いていけるよう、頑張っていきたいと思います。
- プロフィール
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ヘアデザインConneru代表・スタイリスト
萩原亨(はぎわら とおる)
栃木県出身。栃木県美容専門学校卒業。栃木県内の美容室に勤務後、24歳で都内大手美容室の津田沼店(千葉県)に転職。東京湾岸エリアの新店オープンの際は副店長に就任。教育指導や、数々のヘアショー、撮影など幅広く経験した後、34歳で後輩スタイリストの池田亜樹とともに「Conneru」を設立。お客さまのライフスタイルに合わせたスタイルを得意とする。
(取材・文/揚石 圭子 撮影/泉山 美代子)