植物の力でお客さま&スタッフも元気に! グリーンで癒しを提供する美容室3店舗に注目
−オーガニック・マルシェによって、スタッフの方々には、どのような影響がありましたか?
サロンワークで触れ合うのは美容師だけなので、別の職種の人と触れ合えるだけでも、気分が全然違ってきます。視野が広くなりますね。
オーガニック・マルシェをやるようになり、一つ何百円の野菜の向こう側に、生産者の姿が見えるようになりました。思いが込められたものの向こうには、それをつくった「人」の姿があるということに気づきました。どんなものに対するときも、それをつくる「人」を意識するようになると、ものを扱うときや、日々の何気ない生活に対する姿勢も変わってきます。
−美容室内の植物は、どのように選んでいるのでしょうか。
担当のスタッフがお花屋さんと話をして、季節にあった枝ものを選んで生けています。美容室は無機質になりがちですが、植物によって四季を取り入れ、室内と屋外の差を少しでも縮めることができればと思っています。緑を取り入れれば居心地のいい空間ができますし、それが作り出すヘアデザインにも影響してくると思っています。
枝ものにしている理由は、花だと枯れるのが早く、色がありすぎればエレガントに偏りすぎてしまうからです。枝ものだと枝のシルエットがデザイン的にもおもしろく、インテリアにも映えます。
−日々、生活の中に植物を取り入れるススメについて、教えてください。
美容室も生活の一部と考えているので、普段の生活と分離しないような形をつくれるのが、お客さまにとっても、スタッフにとっても、一番いいと思っています。とくにスタッフはずっと室内で仕事をしているので、少しでも自然を感じたいという気持ちがあります。植物の色や香りを感じながら働くことは、人間として、ごく自然なことだと思います。
なんでもただ効率的するのがいいのではありません。どんなに忙しくても、季節の植物をちょっと生けてみる……そうしたひと手間をかけることは、すばらしいことですよね。そこに人間の本質があると思っています。
>3.都心にも木漏れ日を。グリーンを使って独自のセンスで空間づくりを行う『LIBRO』