サロンをまるっと手作り!? プロ顔負けのDIY美容師
シャンプー台を斜めに設置するなどの失敗も
サロンのレイアウトなども全部自分たちで考えて作ったんですけど、専門家じゃないので間違ったこともしていたんですよね。例えば、なんとなくシャンプー台を斜めに設置してみたけど、使いにくいとか。ほかにもちょこちょこ不具合がありました。でも、自分で作っているから直すときもすぐできるんですけどね。ちなみに、オープンまでにかかった費用は600万円くらい。業者さんにお願いした場合と変わらなかったかもしれないですね(笑)。
お店がオープンしてからは、今度は「手作りの経営」が始まりました。初めは3人でやっていたので、月々の売上を三等分して手渡ししていたんですよ。1年はそれでやっていたんですが、次の年になると税金やらなんやらで、代表の僕が貧乏になってしまいまして。税理士さんにて正しい配分の仕方を教えてもらったりしました。
自分たちでサロンを作ったことを知っている人から、「自分のお店作りを手伝ってほしい」という話もよくもらいます。これまで、居酒屋や美容室などいくつも作ってきました。居酒屋なんかの場合だと、内装だけなら20万円とか30万円くらいでなんとかなっちゃうんですよ。でも、全部僕がやったらその人のタメにならないから、最低限必要な工具は自分で用意してもらって、できるだけ自分でやってもらっています。ほとんど趣味でやっているようなものなので、そこで儲けようとはあんまり思っていません。
「僕に頼むのはなぜだろう」と模索しています
店舗の内装工事ができる業者さんってたくさんあるじゃないですか。それなのに僕に依頼してくれるのはなぜなのかっていうのはよく考えていますね。きっと僕が作ったお店に惹かれる部分があったから、任せたいって言ってくれていると思うので。
僕が作ったお店には必ずウッドデッキと、デッキライトが付いているんですよ。そういう開放感があるのが好きなのか、手作りの味のある感じが好きなのか…とかね。基本的には、好きなように作らせてもらっています。
美容室の経営者の先輩として、お店全体のプロデュースを手伝うことも。独立開業の資金をどうやって用意するかとか、業者の選定の仕方とか、ドライヤーをいくつ置くかとか、僕も全部経験してきていますから。でもこれも料金をキチッともらってやっているわけではなく、ほとんどボランティアみたいなものですよね。独立を手伝ったときにかかったお金を、お店が営業を開始して売上が上がるようになってから、少しずつ返してもらうこともあるほどです。
このほか、バーを経営したり、雑貨屋やカフェをやって失敗したこともあります。いろいろなことをしすぎていてクタクタで、ぶっちゃけ今、僕はもう「ぬけがら」状態です(笑)。今後、どうなっていくかも正直よくわからないんですが、何者かになれたらいいなって思っています。
- プロフィール
-
OFFICEハレソラ/Hair&Make frente! 代表 山口 大学(やまぐち だいがく)さん
美容業を軸にさまざまな事業を展開。現在、Hair&Make frente!坂戸横沼店、若葉駅前店、barぬけがら、bar瓦礫の詩人を経営しているが、「お店を作ること」をライフワークの一つにしており、鶴ヶ島・坂戸・飯能エリアには、山口さんが手がけたお店がいくつもある。
http://frente-hair.com/
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
- 1 2