先輩としてカッコよく決めるはずが…!? 現役美容師が経験した「先輩デビュー失敗エピソード」
後輩の髪が大惨事!? 自信過剰が起こしたアクシデント(女性/28歳)
私はスタイリストデビューしたばかりのころ、しっかり練習を重ねてきたこともあって、謎の自信を持っていました。新卒の後輩が入社して、2ヶ月ほど経ったある日。忙しくて自分の髪を染める時間がない後輩に、カラーをしてあげることになりました。
後輩がオーダーしたのは、グレージュのバレイヤージュカラー。実際にやったことはありませんでしたが、やり方はYouTubeで見て知っていました。「美容師なんだから髪色を汚いままにしてちゃだめだよ!」などと先輩ぶって余裕の顔で施術したんです。
ところが、ブリーチの段階でどうも雲行きが怪しい。地毛の黒い部分とブリーチをした金髪の部分がボカせず、パキっと2色に線が入るように染まってしまったんです。色を被せれば大丈夫だと思い、アッシュをベースに補色で紫を少し入れて、自分なりにグレージュを出そうとしました。しかし仕上がりは、緑がかったダル系の濁った色という結果に…。仕上がりを見て、泣きそうな顔をしている後輩と私を見かねて、トップスタイリストの先輩がやり直してくれました。
「綺麗にしてあげる」と言っておきながら、余計に汚いカラーにしてしまい、冷や汗どころではありませんでした。後輩に全力で謝罪し、先輩には心の底から感謝です。自分はもう一人前のスタイリストだと調子にのって恥ずかしくなりました。まだまだ知らないことばかりだとわかったので、日々勉強して一人前を目指したいと思います。
後輩からも日々勉強! メモを持ってこない意外な理由(女性/27歳)
私が新人のころは、メモを取らないとものすごく怒られました。そんな経験もあって、自分が後輩に指導するときもメモをとっていないと叱っていました。
ある練習会の日。後輩がみんなスマホを片手にやってきました。「それ教わる人の態度としてどうなの。メモは? 鉛筆は?」と思って指摘すると、後輩たちは口を揃えて反論。「え、スマホのメモ機能と動画で記録したほうが、再確認しやすいし、わかりやすくないですか?」と…。私は「たしかに…」と納得してしまって何も言い返せず、「ま、まぁべつにいいけど…」と苦し紛れのセリフを言うことしかできませんでした。
スマホを使えば、動画をエアドロップで共有できるし、みんなが撮った動画を共有すればいろいろな角度や違った視点で練習を見ることができますよね。それに、メモアプリの音声入力モードを使えば、自分で入力しなくても文字起こししてくれるし…。私が1年目のときもスマホはあったのだから、そうすれば良かったと思いました。
自分の頭で考える力や発想力が皆無で、学ばなければならないのは私のほうでした。「スマホを持って練習にくる=最近の子はふざけている」という見方をしてしまっていました。自分の時代のことを、いつまでも常識だと思っていると失敗しますね。恥ずかしい…。