次世代女性オーナーの決意。1サロンからはじめる、美容業界のネガティブポイントの改善
私のお給料も家賃も、みんなが知っています
-いま、ショスピエ・アン・レトンではどんな取り組みを?
スタッフにとってすごくホワイトな経営環境はつくれているつもりです。売り上げも経費も、私を含めた全員の給与もスタッフ全員に公開しています。誰かの給与が上がるときは、朝礼で発表するんです。こういう理由で、いくら上がりますというように。
-上の人の給与がわかると、下の子たちのモチベーションも上がりそうですね。
そうですよね。あとうちはアシスタントの初任給を平均よりもかなり高く設定しています。でも年数を重ねてもそれほど上がらない仕組み。スタイリストにならないと、ぐんっとは上がらないんです。そういうのも早くスタイリストになろうと奮起する材料になればいいなと思っています。
そもそも美容室って、経営者しか知らないことが多すぎるように思います。私もいざ独立して経営や運営面のさまざまなことを決めるときに、あまりにも知らないことが多くてすごく大変でした。
守られているから知らされていないともいえるけれど、知らされていないから不満が出たり、不安になったりするという部分も多くあると思うんです。
—スタッフの独立については何か準備をしていますか?
独立するのも、うちのサロンでずっと働き続けるのも、どちらでも自由に選べるサロンにしていきたいです。独立が許されにくい今の状況は、独立するスタッフの売上げがなくなる大変さが大きな原因になっているのではないかと思うんですね。だからうちはもし売れっ子がいなくなっても、成り立つサロンであるよう準備をしていかないと。人を育てなきゃ、ということですよね。
あとうちから独立するなら、絶対に売れてほしい。経営に関する数字をすべて公開している理由はここにもあって、サロン運営をちゃんとわかってから独立していってほしいんです。ヘアスタイルをつくるセンスがあって、お客さまにどんなに愛されていても、それだけではサロンは運営していけないですから。