理美容道甲子園優勝者“BROCHE Group”の温度差を生まない団結力
規則や対処法を「読めばわかるもの」にする
-スタッフ教育においてグループ全体で導入しているという「コンセフトブック」について教えてください。
コンセプトブックは、一言で言うとマニュアルブックのことです。でも、多くの会社で作っているルールブックって、就業規則や社内規定を難しい言葉で説明しているものが多いですよね。だから、美容学校を卒業したばかりのスタッフでも読めばわかるように、規則だけではなく、接客についても「こうするとこうなる」とわかりやすくまとめてあるんです。
コンセプトブックは社長や、幹部が作ったものではなく、スタッフの意見からできています。毎週店舗ミーティングで日々の問題抽出と解決策の提案をし合うのですが、それらをためておいて、月1回のルールブック会議で報告するんです。そして、そこで「私たちの店舗ではこういう問題が起きたら、こう進めることになりました」という報告に対して「全店舗そうするべきだよね」と承認されると、全店共通のルールとしてコンセプトブックに載るんです。うちの店舗からは「子どもを含め、お客さまがトイレを利用したら、スタッフが毎回チェックし、綺麗にする」というルールが全店舗共通になりました。
-実際にコンセプトブックを作ってみて、どんな効果がありましたか?
やっぱり、それまで店舗ごとにバラバラだったルールが統一され、会社としてのルールになったことですね。それから、新人スタッフにとっては、先にコンセプトブックを読んでおくことで、先輩に尋ねる前にケース別の対処法がわかるので、新人でも自発的に動けるようになりました。
せっかくやるなら優勝しかない
-理美容道甲子園に出場するきっかけは何だったのでしょうか?
オーナーから「こういう機会があるけどどうする?」と話があったんです。そこで、ほかの美容室のなかには、「ただえさえ忙しいのに」「面倒くさい」「やって何の得になるの?」と考えるところも多いかとは思うのですが、うちのグループのスタッフは誰も否定的なことは言わず、「せっかくやるなら優勝しかないよね」「熱い気持ちなら負けないし、やろうよ」と乗り気で参加が決まりました。
出場が決まってからは毎日のようにスタッフ同士で集まって、演出担当や脚本担当を決めたり、一人ひとりが経験した楽しかったことやうれしかったこと、どういう思いを伝えたいかを用紙にまとめて、みんなの前で発表したりしていました。
-当日会場のみなさんに向かって伝えたかったこととは何だったのてしょうか?
数々の問題を乗り越えてきた、BROCHE Groupの成り立ちですね。出場決定後の話し合いのなかで、創業の経緯を知らないスタッフもいたので、原点に返って、うちの会社はこうしてできたというのを、創業当時からいたスタッフが説明したんです。そのなかで、「あのときこういう問題があったよね」というのを振り返っているうちに、それらを年表にしようということになり、本番でも、創業から今に至までの経緯について、年代を追って発表しました。