足りない引き出しがあることに気がつかされた美容師、LECO小林 賢司「美容師ブレイクスルー白書2019」
Q.2018年はどんな年でしたか?
A.「旅立ち」
前のサロンから、LECOに移動して、あらゆる面で独り立ちをしたと、感じます。まだLECOに移ってから10ヶ月※、スタイリストになってからも10ヶ月です。
※取材(2019年1月)時点
本当のところを言うと、LECOの出店もあったので2018年を勝負の年にしたいと気負っていました。ただ、Tokyo Beauty Congress 2018(以下、TBC)に出場したことで、ものすごく気付きが多い年になりました。
実は学生時代含めて、コンテストに一度も出たことがなく、クリエイティブにさしたる興味もなかったんです。
でも一度は…と思い、出場してみました。内田にも相当みてもらったし、「何かの賞にはひっかかるでしょう」という、謎の自信もあった。で、当日、他の出場者を見て、「あ、これは負けた」と思いました。結果はその通り、どの賞にもかすりもしませんでした。
で、この年優勝したのが、前サロンの先輩で同居人でもある、VeLO/veticaの阿部力くんです。
阿部くんが必死にモデハンしていたのも知っていたし、コンテスト前日のギリギリまで服を縫っていました。努力の量が僕と全然違った。
すごく優しくて気もきくし、誰よりもリスペクトしてるから、うれしいと思ったと同時に悔しかった。何よりも内田が一番悔しがっていたんです。
ちょうどスタイリストとして、デザインの幅が狭いと感じていたときでした。ナチュラルな抜け感のある雰囲気が好きだったので、そこを伸ばしていければと思っていたのですが、感度の高いお客さまに「お任せで」って言われたとき、クリエイティブの引き出しが足りない自分に打ちのめされて、死にたくなりました。
僕は映画をめちゃくちゃ見てるし、雑誌も大好き。イラストも描いているし、ファッションを含めてカルチャーが大好きだけど、TBCに出場して、もっとやらないといけないことがあるんだと気がつきました。夜な夜な代官山蔦屋に通ったり、朝練にも思わず力が入ったりしています。
先ほど自信があると言った人柄も、内田に「人柄だけで勝負すんな」と言われました。そこは痛いところではあったので、今はデザイン力を高めたいという気持ちがふつふつと湧いてきている。
30代になって、やるなら今しかない、という気持ちになっています。
いろんな面での旅立ちの年だったと感じます。
Q.2019年はどんな年にする?
A.「アップデート」
- コンテストに出場して、リベンジする
- イラストのコラボにもっと力を入れる
- 外への発信を強化して、売り上げアップ!
今年はコンテストでリベンジしたいです。目指すはまずは入賞。
僕が入賞すれば後輩のいい道しるべにもなるし、LECOが内田だけのサロンだけじゃないことが証明される。デザインに向き合う時間を積極的に作っていきたいです。
それに付随するのがイラストの仕事。
イラストは集客にも繋がるし、いい意味での息抜きにもなる。友人に描いたウェルカムボードがきっかけの来店もあるんですよ。クリエイティブの掘り下げにもなるし、クライアントからの依頼で絵を描くと、いつもとは違った視点で本を読んだりすることもできる。2018年はブランドコラボができなかったので、2019年はまたやりたいですね。
あとは単純に売り上げ、フォロワー数アップ。内田に追いつくにはまだまだ足りないところ。有言実行タイプなので、全部クリアしていきたい。期待して欲しいです。
- プロフィール
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LECO
スタイリスト/小林 賢司(こばやしけんじ)
1988年生まれ。東京都出身。山野美容専門学校卒業後、2年間のフリーター生活を経て『VeLO/vetica』に入社。2018年2月、内田聡一郎氏が代表・トップディレクターの『LECO』にオープニングスタッフとして参加。同時に、スタイリストデビュー。
2018年ミルボンフォトコンテストで優勝。イラストレーター・通称グラマス(graphicmaster_koba)としても活躍中。
(取材/高橋 優璃・撮影/菊池 麻美)
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