サロン営業中に地震! あなたはどうする!? KENJE enoshima Kazucoさんに聞く美容室に必要な防災の備え
防災に何よりも大切な「自分ごと化」する意識
防災対策は防災グッズの常備やサロン内の設備を見直すことも大切ですが、私はまず防災意識を一人ひとり持つことが大切だと考えています。うちのサロンでは、避難訓練を実施するにあたり、意識を変えるため鎌倉市の動画を見てもらいました。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=848&v=sLQJjvmCZI8
この動画を見せることで、津波の恐ろしさや一刻も早い避難が必要だということをスタッフそれぞれが“自分ごと”として感じられるようになり、緊張感のある避難訓練を行うことができました。
時間がなく高台へ避難できないときの避難場所として指定されている「津波避難ビル」というものがあるのを知ったのもこの動画。お店の周りをみんなで歩いたときに、すぐ隣の建物が避難ビルに指定されていたことがわかりました。「もし高台へ避難できないときも、より落ち着いて避難行動ができるね」とスタッフ同士で話しをするようにもなりました。
防災を機に深くなる地域コミュニケーション。Kazucoさんの防災対策はまだまだ進化途中
防災対策をしてみて意外だったのは、地域とのコミュニケーションが深まったこと。実際に訓練をしたことをお客さまに話すことで、逆にこの地域ならではの情報を教えていただいたり、商店街の方にも声をかけていただいたりすることが多くなりました。また、避難訓練をしていることが、お店の信頼度のアップにもつながることを感じています。
私たちの防災対策は、はじめたばかりの取り組み。例えば冬だった場合、厳しい寒さの中で水で髪をゆすげるのかなど、まずは季節ごとに避難訓練を実施して違いを検証したいと思っています。薬剤を落とすための水の量が足りるのかなども訓練を重ねながら随時、見直していく予定です。
私たちのサロンで行われている防災対策の精度を高め、それをより多くの美容師さんに知ってもらうことで業界全体の防災意識が高まっていってほしいです。
♦♦♦まとめ♦♦♦
「備えあれば憂いなし」と言いますが、実際に行動してみないとわからないことことがたくさんあると感じられたKazucoさんのお話。サロンの立地や、スタッフの人数などによって必要な防災対策も変わってきそうです。お客さまの安全を守るため、スタッフの安全を守るために、できるところからはじめてみてはいかがでしょうか。
(取材・文/若月美沙 撮影/河合信幸)