サロン営業中に地震! あなたはどうする!? KENJE enoshima Kazucoさんに聞く美容室に必要な防災の備え

美容室でやっておくべき防災対策

 

訓練をきっかけに、避難だけでなく内装や備品なども考える必要があると感じたKazucoさん。現在、「KENJE enoshima」で行われている防災対策を教えていただきました。

 

 

防災対策1:サロン内の危険を取り除くこと

 

実際の避難を想定してみると、やはり落下物の危険性が気になりました。そのため「KENJE enoshima」では、危険な物を極力減らす、配置を見直すようにしています。例えばシャンプーやヘアケア商品。以前はお客さまにおすすめするためにカウンターの手前に置いていましたが、現在は落下しにくい位置にずらしています。

 

また「KENJE enoshima」には、ぶら下がるタイプの照明はないのですが、3.11のときにグラグラと揺れ、今にも落ちそうに感じました。そのため、できれば照明は揺れないようにしたり、落下しないように対策したほうがいいと考えています。

 

さらに、お客さまのドリンクは紙コップで提供しています。これは3.11のときに、ガラスのグラスが割れたのを思い出したため。割れると危険なものは極力少なくしています。

 

 

防災対策2:店の避難方針を決めてマニュアル化する

 

3.11の経験から、災害が発生したときに何も決まっていなければお客さまの安全のために咄嗟に動くことができないことを実感しました。なので、店としてきちんと方針を決めてマニュアル化することが大切だと思っています。

 

「KENJE enoshima」の場合は、津波が到達するまでたった8分しかありません。そのため、何よりも命を優先するという方針にしています。その方針にもとづき、避難の流れをマニュアル化しました。

 

地震が発生したら、まずはドア近くのスタッフが避難口を確保し、お客さまにはカット台の下に隠れてもらいます。その際、椅子に常備しているバナナクッションで頭を守ります。シャンプー台にいる場合は、ひざ掛けを使用。スタッフはカウンターの下で姿勢を低くします。

 

揺れが収まったら「地震が発生しました、津波が到達するまで8分なので髪も荷物もそのままで高台に避難します。スタッフについてきてください」とアナウンス。そうすることで、お客さまの不安も軽減されますし、パニックにならずに全員で行動できるようになります。

 

 

防災対策3:災害発生時のスタッフの役割分担を決めておく

 

実際に地震が起きたとき、慌てないためには事前にスタッフに役割を与えておくことが大切です。マニュアルの中に、アナウンスする人、防災リュックを持つ人、最後に施錠する人など、役割分担を明記してあります。役割は店長以下、ベテランのスタッフに割り当て、その他のスタッフやアシスタントはそれぞれ担当しているお客さまを誘導します。地震はいつくるかわからないので、同じ役割に対して複数の担当者を決めておくのがポイント。力のある男性が防災リュックを持ったり、高齢のお客さま誘導するなど、適材適所で割り当てています。

 

防災対策4:非常用の持ち出し袋を用意する

 

避難訓練前はサロンに防災リュックはなかったのですが、実際に有事がおきたときには、すぐに救助がこない可能性もあります。そのため避難訓練後、一般的な防災グッズに加え、お客さまの髪についている薬剤を落とすための水を用意しました。水の量は、2リットルペットボトルの水を2本。安全に避難ができたら、緊急を有する人から薬剤をゆすぐ想定です。

 

また津波がこなかった場合でも、地震の影響で水道が止まってしまう可能性もあります。その場合はサロンに常備しているウォーターサーバー用の水を使用することを想定しています。

 

 

>美容室ならではの防災グッズって?

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