採用倍率5倍! 2年連続で『髪セブン』ランクインもした名古屋のサロン「AXIS」が美容学生から圧倒的支持を得る理由とは?
SNSはノルマ0の「完全任意」! 一人ひとりが考えることが大切
常に見られているという意識を持つのはSNSでも同じこと。
「AXIS」では、SNSアカウントの開設も運用も、完全任意で行っています。フォロワーや投稿のノルマもありませんし、投稿内容も各スタッフに任せています。
ただし、「その投稿を見た人に“素敵だな”と思ってもらえるものにしよう」ということは、しっかり伝えています。それは、「自己価値の最大化」の手段としてSNSを利用してほしいから。ただの日記的投稿で果たして集客できるのか? ということまで、それぞれがしっかり考えることが大切です。
完全任意にしていても、多くのスタッフが積極的にSNSを活用していますよ。発信スタイルは幅広くそれぞれですが、みんな「お客さまをかわいくする」という目的は同じです。美容師としての目的が明確にあり、「自己価値の最大化」をしっかり伝えていれば、みんな自分で考えて動くようになるのだと思います。
長く働いてきた人がNEXTを考えられるサロンに
現在「AXIS」には4店舗で約90名のスタッフが在籍しています。これだけの規模で長く続けてきているわけですから、正直な話、辞める人だっています。でもそれは自分たちに何が足りなかったかを知るチャンス。私は、辞めていく子たちに必ず理由を尋ねています。本当のことを言ってくれるとは限りませんが、次へのヒントには必ずなりますから。
そして、大切なのは長く働いてくれているスタッフに何ができるか。今、考えているのは「AXIS」で活躍する美容師が「NEXT」を考えられる働き方の構築です。
特に力を入れているのは、女性の働き方。うちは女性スタッフの割合が多いのですが、出産などでどうしてもキャリアが一時的に中断しがちです。それを乗り越えられるシステムを作っていかなければなりません。
例えば常日頃から、1名のお客さまに対して複数の担当者がいるというシステムであれば、長期の休みに入ってもお客様は離れていきませんし、そのスタッフも戻ってきやすいですよね。そうやって一度長期の休みに入ったスタッフがスムーズに戻ってくる様子を見られれば、若いスタッフも将来に明るい展望を見出せると思うんです。
また、みんなが安心して長く働ける環境であれば、より一層「自己価値の最大化」に注力することもできるでしょう。そうして、自立した個性あるスタッフが「AXIS」で長く活躍していけば、お客さまへもよりいい価値を提供できる。結果、お店のブランドも向上し続け、採用でも優秀な人材が集まって、「AXIS」がずっとよい状態で続いていくのではないかと考えています。
- プロフィール
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AXIS
取締役・人材教育部長/沖公男(おき きみお)
1974年生まれ。実家が理容店だったことから美容師を目指し、愛知美容専門学校へ。1995年AXIS入社。各店店長を歴任したのち現在は人材教育部長を務める。
(取材・文/若月美沙 撮影/しょーゆ)