『ズボラPDCA』の著者、北原孝彦さんに 美容師1年目からマネできる弱者の戦略を聞いた!
好きなことではなく、得意なことで勝負しよう
「傷つきたくない」性格だからこそ、僕はやりたいことではなく、勝てることで勝負します。たとえば僕がやりたいことって漫才なんですよ。お笑いの養成学校に行ったら生涯のパートナーに出会えるんじゃないかと勝手に思っているくらい、漫才をしたいと思ってる。でもね、世の中は僕の漫才を求めていないわけですよ。僕に求められているのは美容室経営と店舗展開のナレッジだと思うんですよね。
それに僕は基本的にズボラだから、すぐに結果が出ないことを続けられません。得意なことであれば、始めたその日から収益が上がるかもしれないから、ズボラでも続けられるというわけです。
「勝てること」を見つけられない美容師もいるかもしれません。その場合は、自分を指名してくれるお客さまに聞いてみてください。カラーが上手いでもなんでもいいですが、指名する理由を教えてくれると思います。そうやって情報を集めて、自分の「勝てること」を研ぎ澄ませて、一点突破することがブランディングになります。それをブログやSNSで発信していけばいいんです。
いきなりブログをはじめる人もいますが、ズボラはそれをやっちゃダメです。ひと月も続きませんから。そうじゃなくて、自分が勝てる分野で情報を発信していくんです。それなら、見た人からのリアクションが感じられるし、フォロワーも増えるから続くはずです。
2020年から、ホームページの制作事業もリリースしました。これは僕らの得意分野だし、固定費をかけていないので、初月から黒字です。こんな感じで僕が手がける事業は、初期投資が重すぎないことや、すでに実績があるものを発展させられることが前提。
情報発信にたとえると、いきなりYouTubeには取り組まないです。なぜなら結果を出せるのが何千人挑戦したうちの1人とか、そういう世界だから。そこにチャレンジするよりは、すでに今利益が出ていることを10倍に伸ばす方法を考えたほうが、はるかに簡単。まずは、勝てること、売れること、問い合わせがくることをやるのが弱者の戦略です。
始める前から「勝ち確定」「WIN-WIN」のディーラー事業
僕が次の展開として考えているのは、ディーラー事業です。本当は美容室オーナーさんに対するコンサルティングをしたいんですが、本気でやろうとしたら年間2000万円くらいほしいんですよ。しかも、契約を満了したら無償でコンサルできません。コンサル料をいただかないカタチで、きちんとした利益を上げながら、オーナーさんを支援するための方法として、ディーラーとして商品を供給するビジネスが有効だと考えたのです。
商品を通じて利益をいただけるから、いつでもオーナーさんの相談に乗ることができます。サロンのホームページ制作や、マーケティングの代行もしています。その結果として、サロンの売上が伸びれば、僕らも潤うというわけです。全国100店舗を超えるDearsがその成功事例と言っていいでしょう。
本当は4月にスタートさせたかったのですが、こういう状態なので5月6月に始められればいいかなと。新型コロナウィルスの危機を乗り越えて、次のステージにコマを進めていきたいですね。