注目YouTuberに聞く!「美容師による美容師のためのYouTube戦略2020」
■5年前からヘアアレンジ動画をアップしていたWays TOKYOの木村一平さんのYouTube戦略2020
Instagramのフォロワーからの要望に応えるためにチャンネル開設
Q.YouTubeを始めたきっかけは?
A.Instagramの動画は、解説に使うには短すぎたから。
もともとヘアアレンジに苦手意識があったので毎日何パターンかつくってInstagramにアップしていたんですよ。しばらく続けていると、どうやってつくっているのか動画にして解説してほしいという要望があったので、YouTubeに移行しました。ちょうど前のサロンからの独立を考えていた時期で、インターネットを使えば自分でも集客できると考えていたし、いずれはYouTubeの時代のやってくると思っていました。
ちなみに、僕が始めたころはまだ美容師でYouTubeをしている人はほとんどいなかったと思います。100本、200本と動画を上げていくうちに美容師さんから「見ていますよ」という声が届き始めました。1日1回は動画をアップしたりして大変ではあったんですが、動画の時代が必ずくる確信があったので、早く着手したいと思っていたんですよ。
YouTuberとして人気者になりたいという気持ちはさらさらない
Q.YouTubeチャンネルのブランディング戦略を教えてください。
A.Instagramの世界観を崩さないこと。
僕はYouTubeから離れていた期間もありますし、再開しても集客を目的にしていません。その理由としては、YouTubeを使って集客するとヘアスタイルやヘアサロンではなく、YouTuberにファンがつくから。それこそ、「一度会ってみたい」と遠方からお客さまがきてくださることもあるかもしれませんが、一回きりになってしまうことが多いと思うんです。それよりは僕は、自分がつくるヘアスタイルを通じて喜んでほしい。できるだけ自分のキャラクターを出さずに、コンテンツに価値を見出してほしいと考えてやってきました。自分の個性ではなく、美容師としての知識や考え方を伝えられたらいいなと。
今はInstagramの世界観をそのまま動画上で表現しています。再生数やチャンネル登録者数を増やしたいというよりは、興味を持ってくれた視聴者さんに、深く刺さるコンテンツをつくっていきたいですね。
最近ではVlog形式で動画をつくるので、企画はサロンワークから無限に出てきます。お客さまの髪の長さ、髪質、お顔のカタチ、やりたいヘアスタイルはみんな違うからです。しかもそれが視聴者の関心ごとにも繋がります。動画をつくるための時間をつくるというよりは、サロンワークでしていることを動画にまとめることで、無理なく継続が可能ですし、最大限の効率化をはかることができるんですよ。
5年前につくったヘアアレンジ動画がいまだに再生されている
Q.思い出深いバズ動画を教えてください!
A .「休日の簡単ヘアアレンジ」の動画が繰り返しみられています。
5年前につくった「休日の簡単ヘアアレンジで女子力UP!」という動画が見られています。きっと繰り返して見ながら覚えてくれている視聴者さんがいるのではないでしょうか。
ちなみに、僕の場合は動画をつくる時間を帰宅後の1時間から2時間と決めています。サロンで回した動画を家で編集し、音声で解説を入れることで効率的につくっているんです。また、映像編集関係の友人に任せて、僕がディレクションしている動画も増えました。
新型コロナウィルス感染対策で営業自粛している時間を有効に使ってもらうために、新卒入社の子たちにも自分たちのチャンネルをつくってもらっています。これからは動画を使ったブランディングも当たり前になるだろうし、間違いなく必須のスキルになるからです。ゼロからのスタートでしたが、早速芽が出てきたアシスタントもいます。