大人女性に大人気! FIX-UP横谷百栄が教える、大人の女性におすすめの秋の旬メイク講座
続けることが一番の近道だった
私は静岡県出身なんですが、実家がいわゆる町の美容院で幼い頃から実家のお手伝いをしていました。しかし、親の影響だから美容師を目指したわけではなく、むしろ親には大変な仕事だから、と反対されていましたね。
でも当時は雑誌CUTiEがストリートモードファッションの先駆けでとても影響を受けていたので、あのおしゃれな集団(東京)の中に行きたくて。手っ取り早く東京に行けるから、という漠然とした理由で東京の美容専門学校に進学しました(笑)。
上京してからはずっと無我夢中の毎日でした。
漠然とはしていたものの、上京した頃から田舎にはない雑誌の世界観にとても憧れていて、ヘアメイクもやりたいと思っていたのですが、当時はスタイリストにならないとメイクレッスンを受けられない教育システムでした。
そこから、早くスタイリストになりたい! 同期で一番早くスタイリストになりたい! という一心で昼はサロンワークで毎月の課題をクリアして、お休みの日はサロンとは別でメイクの学校に行ってましたね。がむしゃらでした。 おかげで普通なら3年かかるところ、1年半でスタイリストデビューすることができました。
当時はもちろん何回も辞めたい、って思っていましたけど、ここで辞めたらまた一から同じことを繰り返さないといけないと思うと気が遠くなって辞める勇気が出ませんでしたね(笑)。 毎日毎日、課題が出るからそれをクリアすること必死でした。
欲張りだから、独立はしない
よく、独立しないの? フリーランスにならないの? と聞かれますが、私は今の環境で働くことが性に合っています。 独立したらヘアメイクだけに打ち込むことはできないですよね。例えば経理のことを考えたり、サロンワークをしたかったら面貸ししてくれるところを探したり。私欲張りなので、ヘアメイクもサロンワークもずっとやっていきたいし、そのことに集中したいんです。だからこのままコツコツ続けていきたいと考えています。
私は新卒でFIX-UPに入社して24年目ですが、はじめて美容師業を休んだのは出産のとき。第一子の産休明け、売り上げを出産前までに戻すために2年はかかりました。時短勤務だったので余計時間がかかってしまいましたが、そのときはすごく焦りましたね。そんな経験もあって別のお店に移動したら売り上げ立てるのにもっと苦労するだろうな、と思ったのも独立しない理由の一つです。
それにお客さまもずっと同じサロンになじみの美容師がいると安心しますよね。 先日も5年休眠だったお客さまにまたご来店いただいたり! 私のお客さまをサロンジプシーさせたくないという気持ちがとても強いですね。
キチンと感のある女性のキレイのお手伝いをしたい
好きなものを身につけて冒険をしたスタイルも素敵ですが、今の私は身だしなみが行き届いた女性になるためのお手伝いをしたいし、そんな女性に自分もなりたい! と思っています。毎月髪を切っているとかキチンと身なりが整っているって周りの人はすぐにわかりますよね。いつまでもキレイでいたい女性の好きを美容師である私の手で増やしてあげたいと今は思っています。
- プロフィール
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FIX-UPディレクター、ヘアメイクアップアーティスト 横谷 百栄 (よこたに ももえ)
静岡県出身。FIX-UPに新卒で入社して現在社歴は24年。サロンワークだけでなく、雑誌やCM・CFでヘアメイクアップアーティストとして活躍中。作り出すヘアスタイルやメイクアップは、皆シンプルで美しい。洗練された鮮烈なナチュラルビューティーの世界観には定評がある。また二児のママでもある。
(取材・文/高橋 優璃 撮影/森昭人 モデル/小松崎麻衣)