メイクテクニックよりも、重要なこととは…? 美容師のためのウェディングメイク講座開講!
5、当日のポイント
当日は動きやすいブラックフォーマルを着ること、しっかりと丁寧な言葉遣いを使うこと。
美容師さんは派手に見られてしまうことが多く、親御さんにも「大切な娘をこの人にヘアメイクしてもらって大丈夫かしら…?」と余計な心配をかけさせないように、きちんとした振る舞いを心がけています。
・メイクのポイント
必ずリハーサルの時と同じメイクを施します。ここでアイメイクの色を変えたりしてしまうと、ただでさえ緊張してナーバスになっている花嫁さんに不信感を与えてしまいます。
ただし、コンディション次第では断りを入れて微調整を行います。例えば目が腫れていたらアイラインの高さを変えたりなどします。
また、徹夜で当日を迎える方が多く、顔のコンディションが100%ではありません。なので、念入りにマッサージをして、顔や目の腫れを引かせたり、肌荒れトラブルに対応できるようにメイク道具の準備などは欠かせません。
・お色直しのポイント
お色直しは本当に時間がありません。とにかく時間に間に合わせることが重要です、
カラードレスに合わせて、ヘアを変えたり、リップやチークを足すことはもちろんですが、ヘアメイク同伴だとアテンドがつかない式場も多く、ドレスの着替えを手伝ったりすることも。ドレスは特に海外ブランドのものだとファスナーに癖があったり、想像以上に高価なドレスだったりするので、取り扱いには要注意です。
時間との勝負ですが、だからと言って、花嫁さんのケアは怠ってはいけません。式中は飲食ができないことが多いので、飲み物・食べ物をすすめたりと気を遣ってあげることもとても重要な仕事です。
・二次会メイクのポイント
披露宴と二次会では、お友達が引き続き出席することも多いので、ガラっと印象を変えてあげることを心がけています。
ヘアもアップにしていたらダウンヘアにしたり、目元にカラーラインや目の下にラメを引いたりと、POPさやカジュアルな雰囲気を取り入れます。また時間に余裕があるときは全部落として最初からやり直したりすることもあります。
6、全体的なポイント
一生に一回のことなので、花嫁さんは些細なことでもナーバスになりがちです。花嫁さんが100%納得するまでメイクを直したり、当日は緊張している花嫁さんの緊張をほぐしてテンションを上げてあげたりと、一番距離が近い存在として、ケアをしっかりとしてあげましょう。
また、当日は突然のトラブルが起こりやすく、連日の徹夜と緊張で花嫁さんの具合が悪くなってしまったりすることも多いです。しかし、ヘアメイクが慌ててはいけません。その時々で冷静な対処を心がけましょう。そして落ちてしまったテンションを上げていくのもヘアメイクの役割です。
花嫁さんと関わる二ヶ月間は気を張る場面がしばしばありますが、式場で歓声が聞こえたりするとうれしくなって、とてもやり甲斐を感じられます。
美容師の皆さんも是非参考にしてくださいね!
- プロフィール
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Hair&make madoka
都内サロンを経て、原宿のサロンGigiにてヘアメイクとして活動。サロンワークもこなす。ウェディングヘアメイクをはじめ、雑誌やタレント、アーティストのヘアメイクを担当。
(取材・文・撮影/高橋 優璃)