独創的なヘア&ファッションは美容師としての高みを目指す覚悟のあかし ーUMiTOS 渡邊なつきさん
コンテストやイベント会場でひときわ目を惹くヘア&ファッションの渡邊なつき(わたなべなつき)さん。鮮やかな色と個性的なフォルムの洋服をなんなく着こなし、ガツンと刈り上げたツーブロックヘアもトレードマーク。渡邊さんがこのスタイルを貫く理由、そこには好みを越えた美容師としての覚悟や戦略がありました。自分にとってヘアスタイルやファッションってなんだろう、そんなことを顧みながら読んでみて!
唯一無二の存在を目指したファッション&ヘアストーリー
-渡邊さんのヘアとファッション、気になっている人も多いと思います。どんな経緯で今のスタイルにたどり着いたのですか?
私は沖縄のサロンに一度勤めてから、『UMiTOS』に入社しました。ファッションはUMiTOS入社前からこういうテンションのファッションをしていて、それをオーナーの砂原(由弥さん)が買ってくれたというか。ひとつの武器として、良しとしてくれたんだと思います。
子どもの頃から色柄がはっきりした洋服を母が選んでくれたり、祖母がつくってくれたりしていたので、今の色彩感覚はそういった環境も影響しているのかもしれません。中高時代は古着屋さんでオリジナリティがあって、人とかぶらないものを選んでましたし、専門学校時代や沖縄で働いていたときはギャルソンなどのブランド物やヴィンテージなど、見ていて楽しいものを選んでいました。そんな感じなので今のスタイルも、自分にとってはすごく自然な流れです。
-今はどんな目線で洋服を選んでいますか?
表参道にきてからは、お客さまもこだわりがあったり、素敵なものをたくさん見ていらっしゃる方が多いので、ちょっと品良く見えることも心がけるようになりました。
お客さまがぱっと見たときに、明るい気持ちになれることを大切にしています。アシスタントの頃は特に色を重視して選んでいたように思います。黄色は明るい気持ちに、赤はちょっと挑戦的に、青には癒しの効果があるなど、色の効果っていろいろありますよね。それを踏まえて、たとえば週末はファミリーのお客さまも多いので、黄色の洋服にしようって考えたりしていました。
スタイリストになってからはフォルムにもよりこだわるようになったような気がします。あとやっぱり私もつくり手なので、こだわってつくられたものや、バックボーンがしっかりしているブランドには特に惹かれます。手のこんだ細かいディテールや、素敵な生地などに出会うとうれしくなってしまいますね。
-ヘアスタイルも個性的ですよね。アシスタントの頃からずっとツーブロックスタイルですが、どんなこだわりがあるのですか?
アシスタント3年目くらいから、ずっとこのヘアスタイルです。美容業界、特にこの原宿・表参道エリアには有名な美容師さんがたくさんいらっしゃいますよね。その中で今後他の人とかぶらず、つくり手として大成していくには、どういった髪型がいいか考えて、考えて……。女性美容師でガツンとしたツーブロックをしている人はいないなって思ったんです。
他のことではまだ力が及ばないので、まずはヘアスタイルで唯一無二な存在感を出そうと思いました。あとは変えないことによって徹底的に印象をつくろうと思って、それからずっと変えずにきています。Perfume戦法って呼んでいるんですけどね(笑)。
-その頃から第一線で活躍するためのことを考えていたのですね!
すごく図々しいですけれど、いつかは憧れの人たちと同じ土俵に立ちたいなと。砂原もそういう気持ちで育ててくれているのがすごく伝わりますし、自分もそれを望んでここにきたので10年、20年かかったとしてもそこまで行きたいと思っています。