「東京ブレンドという第三勢力を作りたい」U-REALM代表の高木裕介の野望

スタッフが辞めないサロンを経営していくべき

 

-先ほど、時代に合ったやり方が大切だとおっしゃっていましたが、今の時代に合ったサロン経営とは何だと思いますか?

 

「スタッフが辞めないサロンを作ること。やっぱり美容室って人なんですよ。3年かけて育てた人が1年で辞めたらすごい損失。だから昔はスタッフが独立したら嫌がらせをするサロンもありました。

 

でも今は縛るんじゃなくて、辞めたくないと思わせる会社を作らないといけない。社会保険に加入させるなんてことは当たり前。休みなしの美容室も多いですけど、休ませる。昔のアシスタントの基本給は13万でしたけど、今は17万円まで上がりました。でももっと高くしないといけない」

 

-なるほど。

 

「それができていない美容室は経営してはいけないと思います。あと僕が嫌いな雑誌はそういう美容室ばかりを応援しているところ。デザインだけで評価しています。技術だけを評価している雑誌があるから経営感覚がゆがむんです。地方のサロンは、そういうサロンがすごいと勘違いしてしまい、最終的にお客さまが来なくなる。本当はお客さまが求めるスタイルを作っていかなくてはいけないのに。

 

雑誌がとがったスタイルを提案するのもいいんですが、それなら一般寄りのスタイルも紹介するべき。実際にとがったスタイルだけを掲載する雑誌はいつか廃刊すると思いますよ」

 

-辞めないサロンを経営するために、高木さんはどんな取り組みをしていますか?

 

「サロン以外で売上をつくることです。今はプロデュースしたシャンプーやトリートメントを幅広く売る努力しています。この商品はドン・キホーテでも売っていますが、販売してくれる店をもっと増やしたい。

 

他にも国に助成金の申請をしています。雇用をすることでもらえる助成金があるのですが、こういう制度を一般のサロン経営者はあまり知らない。もちろん社会保険に加入していることが条件になりますが。そうやってお金を作って、スタッフに還元してあげる。社員旅行にも連れて行きます。その旅行費用はうちの規模だと400万円もかかります。でも頑張って稼ぐんです」

 

-環境面ではどんな取り組みを?

 

「働き方の選択肢を与えています。例えばU-REALMの吉祥寺店は、店長が自分でお金を出して作ったんです。でも今も僕のサロンで社員として働いてくれています。そういう働き方も考えるとか。なんでU-REALMグループを辞めないかというと、採用やメディア露出の面でも、U-REALMと繋がっていられるメリットを提供できるように、常に考えているからです」

 

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