「東京ブレンドという第三勢力を作りたい」U-REALM代表の高木裕介の野望
スタッフが相次いで退社してしまい、どん底を味わう
-U-REALMのスタートしたときに何が大変でしたか?
「う〜ん、忘れちゃったなぁ(笑)。寝る暇もないくらい忙しくて大変でした。お店がスタートした時点で僕に6000人のお客さんが付いていて、さらに雑誌に出たり、花王・ケープの開発に携わったり、合間にお店の売り上げもチェックして…ほかにも芸能人のヘアメイクをしていました」
-そんな忙しい中でどうやって業務をこなしていったんですか?
「結果的にできなかったんです。一時期はお店も傾いてしまったくらい。先ほどヘアメイクをしていたと言いましたが、ヘアメイクってサロンワークよりも先に日程が押さえられてしまうんです。そうなるとお店が後回しになってしまい、お客さまに対しても疎かになり、スタッフに対しても疎かになる。
するとどうなると思います? みんなバタバタと辞めていくんです。20人いたスタッフが半分になりました」
-お店が傾いてしまい、再建しなければいけない。その時、高木さんが一番初めに取り組んだことは何ですか?
「まず僕がサロンに出ました。僕がお店に出ないとスタッフのモチベーションが下がるんですよ。そしてスタッフを育てようとしました」
-スタッフを育てる上で大切にしていることは?
「厳しく上手にしかる」
-ただ厳しく怒るのでは駄目なんですか!?
「駄目です! 確かに厳しくすることは大切です。しかし、何も考えずに怒っているだけでは、スタッフはついてきません。例えば怒らなければいけないときに、相手の気持ちを考えて怒らなければいけないですし、怒った後に普通の会話をしなければいけない。
昔は厳しく怒るのが当たり前でした。厳しいことを言われ、悔しい気持ちをバネにして、みんな頑張っていました。でも冷静に考えると、怒られるのがイヤだからその人の言うことに従っているだけで、怒った人を嫌ったまま。嘘っぽい師弟関係しか築けていなかったんです」