コロナ禍だからこそ、ハッピーなクリエイションを届けたい−冨沢ノボルのマスクビューティ2021− VOL.2
ヘアメイクの冨沢ノボルさんをご存知でしょうか。その独自の世界観と個性的なクリエイションで、雑誌、CM、映画や舞台、MVなど、フィールドを問わず活躍されているトップヘアメイクアーティストです。これまで松任谷由実さんや渡辺直美さん、きゃりーぱみゅぱみゅさんなど、年代を問わず様々なアーティスト、女優を担当されています。
そんな冨沢さんが、「こんな暗い時代だからこそ、ハッピーな気持ちになれるクリエイティブを美容師さんへ届けたい！」との想いから、QJナビDAILY限定で撮り下ろし作品を公開してくださることになりました。全3回の集中連載です。今回は2回目。
冨沢さんのヘアメイクの仕事観や、世の中に対する想いとともに、創造性あふれる世界観をぜひお楽しみください。テーマは、「マスクビューティ」です。
TITLE:
「Triangle△」
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ヘア＆メイク／冨沢ノボル
撮影／森 康志
モデル＆スタイリング／モトーラ世理奈
−この「Triangle△」の作品のポイントは？
グレイス・ジョーンズという、８０年代に活躍された有名な歌手がいるんですけど、その方のヘアスタイルが三角形になったら面白そうだな、というところからつくりました。ヘアスタイル含めて全体のトーンを黒にして、アイメイクが映えるようにしています。イヤリングをあえてこめかみ辺りにつけてバランスをとっているのがポイントかな。
―こうしたアイデアはどこから生まれてくるのでしょう？
いつも何か考えてるというわけではないのだけれど、これまでにインプットしてきたもの、あとは時代背景などを考えて、そのときに自分が感じたことを作品として出すことが多いですね。今は頻繁に人と会うこともできないし、食事に出かけたりする機会も少ない。だからこそ、インプットには最適の時間だと思うんですよ。最近は、暇さえあれば映画を観ています。「クイーンズギャンビット」がよかったな。60年代のファッションやメイクの感じがすごく良かった。「テネット」もよかったですね。まだ外出が比較的できたころは、展示もよく見に行っていました。石岡瑛子さんや、ジョンアンドヨーコの展示には刺激を受けましたね。内面をえぐられる感じ。美容師さん含め、僕たちはアウトプットをする仕事だけれども、アウトプットばかりしていたらアイデアが枯渇してしまう。だから常日頃からのインプットはすごく大切だし、どうせなら楽しめるものがいいよね。映画なんかももちろんいいけど、シンプルに空を眺めたりとか、月を見たりとか、そういうことでもいいんじゃないかな。
刺激を受けて、感じて、楽しむ。すごく大切なことだと思います。
来週配信の3回目の作品タイトルは「Square□」。ヘアメイクの仕事についてのお話とともにお届けします！
- プロフィール
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都内美容室勤務、ヘアメイクアシスタントを経て、1992年にフリーのヘアメイクとして活動開始。1995年の渡米から帰国後の1998年以降、ファッション誌、広告、TV、CM、CDJ、PV、コレクション、映画、舞台、Beautyディレクションなどに携わる。また、数々の女優やアーティストのヘアメイクも担当。自身のオリジナリティあるキャラクターから、TV出演も多数。(www.urobon.com )
Instagram: @noboruok ,@i.am.not.noboru
