寺村塾#2 化学の問題集を解けば、美容師としてレベルアップできる!? -「美容化学者」かずのすけさん-(後編)

 

元祖美髪アドバイザーで、『前からも後ろからもキレイがあふれる 美髪のルール』(Discover21)の著者としても知られているLily寺村優太さん。女性の美をより幅広く探求するために、「美のカリスマ」たちと交友関係を拡げています。そんな寺村さんと美のカリスマが繰り広げる濃い美容話を美容師さんにお届けすべく、QJナビ編集部が対談の場にお邪魔しました! “寺村塾”と呼ぶにふさわしい、「学びのある対話」をお届けします!

 

寺村塾の第2回目の対談相手は、Ameba美容ブログ1位/月間500万アクセス「かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき」の管理人であり、美容を教える化学の先生として、読者に慕われているかずのすけさん。「オトナ女子のための美肌図鑑(ワニブックス)」などの著書の執筆や、化粧品のプロデュースも手掛けています。今回はそんなかずのすけさんと寺村さんの対談をお届けします。対談は前後編の2回、今回は後編です。

 

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カラーとパーマを同時にすることのリスクを心得ていますか?

 

 

寺村:化学の専門家の立場から、最低限、美容師さんに知ってほしいことを伝えるとしたら、どんなことですか?

 

かずのすけ:過酸化水素や還元剤、界面活性剤がどんな役割を持っているかくらいは基本だから知っておいて頂きたいですね。たとえば、パーマだったら還元作用で髪の毛の結合を切って、酸化させて固めるとかね。人の髪でやっているわけですから。

 

寺村:そのあたりの基本を理解していると、事故が減ると思うんですよね。カラーとパーマを同時にやっちゃう人もいますけれど、美容師から提案するメニューじゃないと思います。

 

かずのすけ:複数の化学反応を同時に起こすっていうことはそれだけ想定外のことが起こりやすくなりますし、反応の予測ができないので僕は絶対やりたくないですね(苦笑)

 

寺村:どんなに洗っても残留物はありますから。

 

かずのすけ:そうですね。たとえば、パーマ後に流したとしてもパーマの薬剤が多少は髪に残ってしまいます。それがカラー剤の成分と反応してしまって、かかりが悪くなるなどの弊害が出たりする。こういう基本的な知識を持つことで、誤った施術だけでなくよくない商材を予め避けることもできますし、ほかにもたくさんメリットがあるので、「どうしてこうなるのか」を考えるクセをつけてほしいですね。

 

寺村:化学について知りたいよっていう美容師さんにお勧めの勉強法はありますか?

 

かずのすけ:一番簡単なのだと僕の本を読むのが一番手っ取り早いかもしれませんね…。普通の化学の本はそれなりに難しいから。もしきちんと体系的に勉強したいのなら、高校の化学の問題集を一冊やってみることをお勧めします。ただ教科書を読むだけではだめ。読むのと解くのとでは理解度が全く違いますから。

 

寺村:へー、それは意外ですが確かに役に立つかも!

 

かずのすけ:高校の頃は興味がなかったとしても、今読めば美容と化学がいかに密接な関係にあるのかわかると思います。重点テーマとしては有機化学や酸化還元反応ですね。「パーマ」や「カラーリング」は酸化剤や還元剤の力を応用した酸化還元反応ですから。

 

寺村:毎日美容室で起こっている化学反応ですね。高校時代は化学で学んだことが、日常のどこで起こっているのだろうと思っていました。

 

かずのすけ:化学って本当に身近にあるものなんです。化粧品も化学の産物ですから。本当に1回、高校化学の問題集をやってみてほしいです。

 

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