お客さまの悩みを店販につなげよう! 人気5サロンの店販のプロが教える、売れる接客術6月梅雨編
ひとつひとつを丁寧に…お客さまのお悩みに寄り添う伝え方とは?− NORA GINZA 高橋 紗季さん
−6月にお客さまから受けることが多い、ヘアケアのトラブルやお悩みは?
・スタイリングしてもまとまらないためスタイリングに時間がかかる
・癖で髪が広がり、アホ毛が目立つ
・巻きが取れやすい
・湿気でパーマが維持しにくい
・どんなスタイリング剤を使っていいのかわからない(べたつきやすくなるのでワックスなどが使いにくい)
―そのようなお悩みに対し、どの商品をおすすめしますか?
ヘアケアのベースとなるシャンプーとトリートメントを変えること、また保湿のためのヘアオイルをおすすめします。今回のロールプレイングで紹介しているのは、それぞれ次の商品をおすすめしています。
■NASEEDシリーズ シャンプー&トリートメント
シャンプー、トリートメント、それぞれ3種類あり、髪質やお悩みに合わせて選べるシリーズ。シャンプーとトリートメントで同じ香りなので、組み合わせて使いやすいです。
■smørオイル
つけた後にベタつかない92%のオーガニックオイル。そのまま手につけても大丈夫なのでネイルケアにも使えます。重ね付けしてもベタつかないので、スタイリング剤が初めてな方やできれば何もつけたくないという方でも使いやすい商品です。
高橋さんのお悩み引き出しロールプレイング
高橋さん(以下、高橋):どんなヘアスタイルにしたいかなどのイメージや、今の髪の毛のお悩みはありますか?
お客さま:時期的にも広がってうねりやすく、朝のスタイリングがしにくいです。
高橋:いつもはどんなスタイリングをされることが多いですか?
お客さま:普段は広がりもあるし量も多いので結んでいます。休日は時間があるのでおろしてアイロンをするのですが、うまくまとまりません。
高橋:今のお客さまのライフスタイルに合わせて無理なくできるケアをしつつ、スタイリングしやすい髪型にしていきましょう。まずは、今の時期は広がりやすいということですが、もともとの髪の毛の癖があるのと、蓄積したダメージによる傷みによる広がりがあります。自分の髪質を知り、何が必要なのか見極めることが大事ですよ。
お客さま:なるほど、私の髪の毛には何が必要ですか?
高橋:まずは保湿です。これ以上髪を傷ませないことも大事ですね。
お客さま:保湿はどうしたらいいのでしょうか?
高橋:まずは、髪質に合わせたケア商品を選ぶことが大切です。また、乾かす前にオイルをつけて、乾かし終わった後にもつけてあげると枕による摩擦から、髪を守ってくれますよ。
乾かした後はまだ熱が残っていて、髪の毛の内側の水分も抜けきっていなかったりするのでオイルでカバーしてあげると落ち着きやすいです。または最後に冷風を当てて表面のキューティクルを引き締めてあげるのも効果的です!
お客さま:髪の毛を傷ませないというのは、どうすればいいのでしょうか?
高橋:まず、なぜ傷ませないようにする必要があるかというと、髪の毛は死んでいる細胞なので、一度傷んでしまうと、サロントリートメントをこまめにしていただくか、最悪の場合、毛先を切らないといけなくなるからなんです。
傷ませないようにするには、ベースとなるシャンプーを髪質に合わせたものにすることが一番大事ですよ。
お客さま:トリートメントではなくシャンプーなんですか?
高橋:はい、お肌の洗顔と同じで洗浄がポイントです。毎日のシャンプー剤が髪質に合っていなかったり、洗浄力が強すぎたりするものを使うことは、髪の毛を毎日傷めつけているということなんです。
お肌にはターンオーバーがありますが、髪の毛にはありませんのでベースとなるシャンプーが一番大事です。また、シャンプーに合わせてトリートメントを選ぶことで、保湿力はアップしますよ。
お客さま:そうなんですね、初めて知りました。
高橋:トリートメント重視の方は多いのですが、実はシャンプーのほうが大事です。あとは乾かす前にオイルなどのアウトバストリートメントをつけるのはもちろんですが、巻いていないときでも外に出る際は必ずオイルなどをつけて、保湿しながら保護することも大切ですね。
お客さま:あまりいっぱいつけるとベタベタするのが気になるのですが…
高橋:NORAオリジナルブランドの「smørオイル」は、べたつかずさらっとした質感になるオイルなので使いやすいですよ。匂いもライムが入った柑橘系でさっぱりしています。
お悩み引き出し&店販につなげる会話のポイント
お客さまが何を求めているのか、髪質についてのお悩みなのかスタイルによってやりやすさを求めているかなどを細かくお聞きして、一番のポイントを決めます。
ひとつひとつ丁寧に説明し、本当に必要なものを取捨選択できるようご提案します。ただし、説明しすぎて一方通行になってしまうと、押し売りになりかねません。お客さまによっては、詳しく説明されるよりも簡潔にまとめて説明してもらい、必要であれば自分から質問したいという方もいます。お客さまがどのようなコミュニケーションや説明を求めているかは、顔色や声のトーンなどから察するように、気をつけて見ています。
施術をしながら、やっていることに対しての説明と、このスタイルを維持するための方法をお伝えすることがポイント。プラスの施術メニューや必要な店販のお話しも盛り込んでいくことで、押し付けになりすぎずお伝えすることができます。
店販が苦手な美容師さんへのアドバイス
まずはお客さまとの信頼関係を築くこと。お客さまが何を求めているのかを聞き、その上でお客さまの髪にとって一番いいと思うことをご提案すれば、信頼関係を築くことができ、店販にもつながりますよ。
また、自分が担当させていただいたお客さまのヘアスタイルに責任を持てるようにしましょう。髪を任せていただいていてるプロとして、「このスタイルを維持するためには、このアイテムが必要です」と言い切ることも、ときには大事ですよ!
プロフィール
NORA GINZA
店長/高橋 紗季(たかはし さき)
NORAに入社後、NORA Journeyに配属。3年弱のアシスタント時代を経て、スタイリストに。2020年1月より新店舗NORA GINZAに配属。女性目線でナチュラルの中にも「かわいい」や「女性らしさ」をプラスした、髪質にあった再現性の高いヘアが得意。お客さまのライフスタイルに合わせたダメージレスなヘアデザインを提案している。
Instagram:@saki_nora
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