アシスタント1年生必読! シャンプーは? 店販は? 店販で話題の『SORA』宮本栄一さんに聞く、アシスタント1年目ができるお客さまへのアプローチ
アシスタントの仕事はバトンを受け取り、いい形でバトンを渡すこと
—1年働いてみて、どうでしたか。またどんなことを得ましたか。
はじめの3ヵ月は慣れないことばかりだし、忙しいしでもう記憶がありません(笑)。得られたことは、先輩の顔色をうかがって働くんじゃなくて、お客さまのために仕事をしようと強く思えるようになったことでしょうか。入社して早い時期に、お客さまからクレームをいただいて……。その理由が先輩のために早くフロアをまわさなきゃと焦っていて、目の前のお客さまをおろそかにしていたことだったんです。クレームをいただくって今でも思い返すと辛くなるような体験ですが、うまくとか早くとか、ほめられるようにとかではなく、とにかくお客さまのために仕事をするのが大事なんだと心の底から思えるようになったいい機会でした。
—サロンの中でアシスタントはどんな存在だと思いますか。
アシスタントのいるサロンは、リレーをしているんだと思うんです。先輩がカウンセリングをして、そのバトンを僕らが受け取ってシャンプーをして、またバトンを先輩に渡す。いい形で先輩にバトンを渡すのが僕らの仕事です。だからと言って、先輩のために働くわけじゃない。お客さまのために一生懸命シャンプーをしたりお話をしたりすることが、受け取りやすい状態でバトンを渡すのにつながるんだと考えています。
—アシスタント2年目の課題はどんなこと?
昨年度、店販への取り組みが話題になったおかげでセミナーをやらせていただいたり、海外に連れて行っていただいたり、いろんなことをさせていただきました。僕、昔からすごく有名になりたいと思っていたんです。だけどそういった経験をして、お客さまに必要とされることが一番美容師として大切で、うれしいことなんだと改めて気づかされました。だから2年目はスタイリストデビューを視野に入れて、ファンづくりに力を入れていきたいです。学生時代に身につけたケミカルの知識を生かして、売りをちゃんと持った美容師になりたいと思っています。
- プロフィール
-
SORA
アシスタント/宮本 栄一(みやもと えいいち)
1994年生まれ。広島県出身。トータルビューティ系の専門高校を経て、大村美容ファッション専門学校3年制を卒業。2016年、都内に4店舗を展開する『SORA』に入社。現在、麻布十番店に勤務。昨年はアシスタント1年目にして、美容専門学校生向けやサロン向けのセミナーに招かれるなど活動の幅を広げた。
(取材・文/福田 真木子 写真/河合 信幸)