#ギザバング で躍進! sikiイチオシの若手スタイリストnatsukiさんが、ブランディングに悩み涙してから、自分らしいヘアを打ち出すまでのストーリーとは #Z世代のスター発掘
自分の好きなスタイルの共通点が「ギザバング」だった
集めたイメージ写真を見ていて気がついたのが、今の私が好きなのは前髪にシャギー感がある女性像だということ。そこから、デビューの際の打ち出しはこれで行こうと決めました。それに加えて、自分のスタイルにどんなハッシュタグをつけるかはすごく大事なので、磯田にも相談して「ギザバング」というタグが生まれたんです。そうして、ギザバングと少しエッジのある暗髪のスタイルを打ち出し始めたのが、デビューのわずか3カ月前の6月のことでした。
sikiはハイトーンを得意としているスタイリストが多く、私ももちろん好きなのですが、サロンの中では少ない暗髪のスタイルでブランディングしたいという狙いもあったんです。後輩やモデルさんにお願いしながら、ギザバングのスタイルをSNSに載せるようになると、すぐにバングカットの予約をいただけるようになりました。
それまでは、入客するときはお客さまの希望に添って施術することがほとんどでした。それが、自分の好きなスタイルを確立したことで提案の幅が広がったことを実感しましたね。
何より喜びを感じたのは、自分の好きなヘアスタイルを提供することで喜んでくれるお客さまがいるということ。こう言ったら恐縮ですが、これまでの私個人に興味を持って見守ってくださる方に加えて、美容師としての自分を見てくださる方がすごく増えたことが嬉しかったです。
デビュー前後の打ち出しのメインはギザバングでしたが、そのスタイルに注目してもらえたおかげで、自分の気分や好きなものを表現できる新しいスタイルをどんどん打ち出していきたい気持ちが芽生えました。
技術的にはまだまだな部分もあるので、先輩にガツガツとレッスンをお願いできるようになったことも大きな変化です。ご飯のお誘いも自分から積極的に声をかけるようにもなりました。そうしているうちに、スタッフとの付き合いに一線を引いているような印象があったクールな先輩本人から「頼ってもらえたことで、周りのスタッフを見る目が変わった」と言ってもらえたことがあるんです。その言葉を聞いて、私が使ってもらう時間は先輩たちにとってもなにか意味のあるものなのだとわかって嬉しくなりましたね。
「計画性無し派」のアシスタントは、そのときに目の前にあることをがむしゃらに!
自分の美容師としての強みは、人見知りをせず、どんなお客さまでも臆することなく懐に入り込んでいけることだと思っています。ちょっと人見知りなところがあるお客さまも大好きで、心を開いてくださる瞬間がたまらなく嬉しいんですよね(笑)。接客で意識しているのは、お客さまのことは必ず名前でお呼びすること。それから、お見送りもするようにしているのですが、その時に撮った動画をInstagramのストーリーに載せるのもアシスタント時代からずっと続けています。これは、自分がお客さんとして行ったサロンで美容師さんにしてもらって嬉しかったことなんですよ。実際にお客さまも喜んでくれていますし、信頼関係を築いて、長く私のところに通ってもらえたら嬉しいなと思っています。
デビューしたばかりなのでサロンワークを頑張るのはもちろんですが、sikiのスタッフはみんなコンテストにも力を入れているので、私もサロンワークとコンテスト、両方で結果を出せる美容師になりたいですね。
私にとってコンテストは、いつも当たり前に一緒にいるサロンの仲間が欠かせない存在なんだって感じられて、感謝の気持ちがより強くなる場。コンテストって孤独な闘いではなくて、みんなの応援や協力があってのものなんですよね。そういう意味では、後輩に背中を見せることも意識して取り組んでいます。
私は計画を立てて行動するのが苦手なタイプなのでデビュー直前で悩んでしまいましたが、本来はやっぱりデビューから逆算して自分の好きなものやブランディングを確立していけると安心ですよね。ただ、私のように計画を立てるのが苦手なアシスタントさんの場合は、そのときに出来ることをがむしゃらにやっていきましょう(笑)! 目の前のことに必死に取り組めば、なんとかなるはずだから大丈夫です。
あとは繰り返しになりますが、遠慮ばかりでなく、時にはわがままに自らの腕を磨いていってほしいです。先輩も、案外頼られるのを待っているかもしれませんよ!
- プロフィール
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siki/スタイリスト
natsuki
山口県出身。日本美容専門学校卒業後、sikiに入社。2024年9月にスタイリストデビュー。シャギー感のあるエッジの立ったスタイルを得意とし、「ギザバング」で注目を集める。sikiイチオシの若手スタイリスト。
Instagram:@__7tsukiii__
(文/須川奈津江 撮影/Yui Ogano)
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