鮮やかなカラーの組み合わせのヒントは洋服? SHACHUが誇る理論派スタイリスト、shinnosukeさんの頭の中を覗いてみた ―トレンドメーカーの「ブレイン解剖」─
カラーの組み合わせはファッションからヘアに落とし込んで考えることが多い
デザインカラーの色の組み合わせは、いろいろなものからインスピレーションを受けているのですが、ファッションから得るものは特に大きいです。たとえば、反対の色を組み合わせるときに、もう1色加えるとまとまりができることがあって。とくに、海外の方のファッションをPinterestで見ていると日本人とはまったく色彩感覚が違うのですごく参考になりますね。ピンクと青を組み合わせたいときに、ブラウンを加えるとまとまりが出るんだな、とか。それをヘアでもやってみたら、ハイトーンのピンクと青の中に、ブラウンのローライトを入れるといい感じにまとまって…面白いですよね。
自然のものからインスピレーションを受けることもあります。夕暮れの空のオレンジと青の組み合わせも、「SUNSET」と名付けてカラーで表現してみたり。ハイトーンを打ち出している美容師さんはとても多いので、自分ならではの色彩感覚や個性は何より大事にしていますね。
Pinterestはカラーのアイデアにも毎日のコーディネートにも欠かせないツール
ファッションが好きでInstagramにも良く載せていますが、僕自身がメンズなので、来てくださる女性のお客さまに寄せた系統にするのはどうしても難しいです。なので、自分のヘアスタイルやファッションは、世界観を表現する手段の一つとして好みのままに発信しています。
女性美容師は、「この美容師さんみたいになりたい」というお客さまからの需要もあるので、自分のヘアスタイルやファッションも意識することが多いですよね。でもメンズはそこまで気にしなくてもいいのかも、と思って。以前はハイトーンが売りの美容師として自分もハイトーンにしていたのですが、伸ばしてパーマをかけたくなったので少し前に黒にしたんです。結果、案外お客さまにも好評です(笑)。
私服やプライベートも自由に載せていたら、女性のお客さまでも似たテイストのものが好きな方が来店してくださるようになったので、見てくれる人もいるんだな、と思って自分のファッションも定期的に投稿するようにしています。
最近好きなのは80〜90年代のファッションで、Pinterestをずーっと見て研究しています。
中でも、メンズよりレディースのファッションを見てマネすることが多いですね。女性の方って足を長く見せたいからハイウエストにしたり、上半身にボリュームを持たせることが多いじゃないですか。そのバランス感が好きで、メンズの僕がやってもおしゃれかも、と思って。
Pinterestは毎日のコーディネートの参考にもしていて、たとえば今日だったら、このジャケットに合わせるアイデアを探すために「ジャケット」「茶色」と検索します。すると、ブルーのニットを組み合わせている海外の人が出てきて、「この色のニットは持ってるからできるな!」とか、毎朝チェックしてその日のファッションを決めています。鮮やかな色のアイテムはメンズよりレディースの方が手に入れやすいので、レディースの服を身に付けることもよくありますよ。
海外の方の色彩感覚が好きで参考にしているとお話ししましたが、美容師の仕事もいつかは海外でやってみたいと思っています。もし社内で海外のフランチャイズ展開の話があったら、絶対に手を挙げるつもりです!
特に、欧米には行ってみたいですね。映画やSNSでおしゃれな街として取り上げられている場所が、自分の目で実際に見たらどう映るんだろうということにすごく興味があります。今の目標は、30代のうちに海外で働くことです。
- プロフィール
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SHACHU/スタイリスト
shinnosuke
東京都出身。山野美容専門学校卒業後、新卒でSHACHUに入社。一つ一つの作業が丁寧かつ素早く、難しい履歴のある顧客のハイトーン施術も多く担当する。デザインカラーを得意とする一方でメンズのハイトーン施術にも力を入れており、性別を問わず多くの顧客から支持を獲得している。
Instagram:@shinnosuke_920
(文/須川奈津江 撮影/菊池麻美)
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