フリーデザイナーが9年間同じサロンに通い続ける理由 -フリーランス・クリエイターと美容師の関係-
フリーランスのクリエイターとして、コンセプトメイキングやデザインディレクション、インテリアデザインやグラフィックデザインまで幅広い分野で活躍する長谷川扶美(はせがわふみ)さん。彼女は約9年もの間、hair&spa egerie primeのオーナー田島隆之(たじまたかゆき)さんに、ご自身の髪をゆだねています。二人の信頼関係が続いているのはなぜなのか尋ねました。
お客さまのイメージを翻訳するように、具現化する仕事
私は大学時代に建築デザインを学び、卒業後は設計事務所でキャリアをスタートしました。その後、インテリア・デザイン事務所を経て、気がつけばフリーランスに。現在はグラフィック、WEB、インテリア等のディレクションやデザイン、ブランディング、コンセプトメイキングまで広く手掛けています。
自分で手を動かしてデザインをすることもあれば、企画会議から参加して、優秀なデザイナーさんたちの力をお借りしながら、プロジェクト全体をディレクションすることも。私はクライアントのふわっとしたイメージや要望を翻訳するように、具現化することが役目だと思っています。最終的なデザインのアウトプットはその一部でしかありません。過程や経過を通して、お客さまが「やりたいこと」を実現させるお手伝いがしたいのです。
フリーランスになって今年で9年目になります。hair&spa egerie primeとのお付き合いも、ちょうど同じくらいです。担当は、オーナーの田島 隆之(たじまたかゆき)さん。新しい挑戦のスタート地点で田島さんと出会って、髪をお任せするようになりました。それから今までずっと、田島さんからエネルギーをもらってきた気がします。
美容師とお客さんという距離感が心地いい
サロンには2カ月に1回のペースで通っています。仕事のパートナーとも、友人ともちょっと違う、美容師とお客さんという関係。田島さんとの距離感がとても心地いいんです。私にとってサロンで過ごす時間は、2カ月に1回、ニュートラルに立ち返るためのもの。髪の毛が伸びたから行く、という感覚とは少し違うんですよ。
田島さんとは人生の節目でお会いして近況報告しているから、「この前の話、どうなった?」という話ができます。お話していると、私の成長を遠くから見守ってくれているような、そんな気がしてくるんですよね。
ちなみに、今はショートヘアなのですが、昔から「30代になったらショートにしたい」と話していたんです。大人のショートってかっこいいし、チャーミングな感じがして、憧れていました。田島さんはそのことを覚えていてくれて、「そろそろいっちゃう?」みたいな感じで、希望をかなえてくれたんですよ。こんな風に「なりたい自分」をふわっとした感じで伝えておけば、田島さんが似合わせてくれます。さすがプロって思いますね。クライアントからも「髪を切ってから雰囲気が柔らくなったね」とほめていただき、うれしかったです。
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