【坂巻哲也apish】還暦を迎えた今こそ語りたい。電車通勤中ウィッグでワインディング練習！？ 24歳に悪性リンパ腫、闘病を支えたハサミの存在
大病を患うも、見事復活！勇気を与えてくれたハサミ
坂巻：24歳で悪性リンパ腫、ガンになったんです。それまでハサミってあまりこだわりを持っていなかったんです。でも病室で過ごしながら、ずっとハサミを持って空打ちしていたんです。腕が鈍らないためでもあったんですが、復活のビジョンを鮮明に思ったというか。治らないと思うんじゃなくて、確実にこの病気を克服してもう一度カットする。自分がカットしている姿をイメージし続けたんです。ハサミを持つことで勇気がわきました。
もし復帰した時には、お客さまの髪を傷めずしっかりカットできるような道具にこだわろう、と思ったんです。そして復帰した後に、オリジナルのハサミを作りました。僕が復帰できたのも、シザーがあったからだと思うんです。
キレカワを引き出す坂巻流カット、実演！
トカジ：ではここからは坂巻さんのカットを見せていただきたいと思います。よろしくお願いします！
坂巻：apishでは「三日月セクション」と呼んでいる後頭部のこの部分。この部分に髪が多いと頭の形が平面的に見えるので多めに削いであげます。僕は3セクションでカットを考えています。オーバーセクション、アンダーセクション、三日月セクション。この三日月セクションの髪を削ぐことで空間が生まれて、波巻きとかのウェーブを作っても束感ができて、表面を傷つけずに落ち着きが出ます。パーマとかの場合、髪の隙間を作ることで動く場所を作るという考え方なのです。
あとapishではグロスカットと言って、表面に出てくる傷んできた毛をカットしています。だんだんとお客さまの周りを3回から4回くらいかけてまわって切っていくんです。こうして隠れダメージヘアまでしっかりと落とします。グロスカットを行うと手触りも全く変わってくるんです。髪質改善に近いカットですね。
- プロフィール
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坂巻哲也 さかまきてつや
apish代表。スタジオVで17年間勤めた後、1998年に「apish」設立。現在、表参道、銀座、青山、横浜など8店舗を運営するほかサロンワークを中心に、ヘアショー、テレビ出演、撮影、セミナー、商品開発など幅広く活躍。YouTube坂巻哲也美容チャンネルも更新中。
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（文／QJナビDAILY編集部 動画制作／トカジショウタ）
