【SCREEN神谷翼】美容師のハサミ、銀座新店舗SCREEN GINZA MAISONからの最新動画レポート
こだわりポイントは、切れ味も研ぎ方も!
トカジ:それでは早速、神谷さんのハサミを見せていただけますでしょうか。
神谷:まずメインで使っているのは5.8インチのシザーです。さらにもう少し細かい作業がしやすいハサミもあり、こちらはハンドル部分が若干短め。ポインティングする時に使いやすいように設計しています。その隣はエンズセニングという、毛先の方のチョップカットを柔らかく作るためのシザーです。あとは20%のセニング。最後にPEEK-A-BOOの時からのシザーで、5.5のシザーをもっと小さくしたようなサイズなんですけど、これは僕のお守りのようなものです。
トカジ:なるほど。オリジナルで作られているんですよね。
神谷:これまでも何本も色々作ってきましたが、3年位前にようやく今の形に落ち着いたんです。でも、まだちょっと試行錯誤している最中です。
トカジ:どんな特徴があるんですか?
神谷:カツッと硬く切るよりは、若干刃をラウンドさせた分、柔らかくなっています。でもラウンドが強すぎると毛が逃げるので、絶妙なラウンドに調整しました。また研ぎ方にもポイントがあって、刃先はちょっと弱くしておくのですが、刃先の先だけを強くする。そんなふうに研ぎ方をオーダーしているんです。
トカジ:少し逃しつつ、でも切りおさめはいいよ、みたいな感じでしょうか?
神谷:はい。絶妙に逃げながらも、つかむ、という感じですね。そして確実につかみたい時は、刃先だけでパンと落とす感じが多いですね。
トカジ:メインシザーの特徴を聞かせてもらいましたが、他にも特徴的なハサミはありますか?
神谷:エンズセニングは、片方だけがラウンドで、もう一方はラウンドが弱め。この材質はけっこう柔らかいものを使っていて、刃先のチョップカットでバシバシ切っちゃうと、逆にベースカットも崩しちゃうくらい。
トカジ:なるほど! 片方がラウンドで、片方はストレートの刃ということですよね。珍しいですね! ちなみにセニングはあまり使われないんですか?
神谷:使う時は使いますよ。こちらは20%で櫛刃は細めです。最近は大きめのセニングも流行っているようですが、僕にはちょっと使いづらいかなと思っています。
カットの姿勢も大事!お客さまへの説得力の一つ
神谷:キレイなカットをするのは当たり前だけど、どういう姿勢で、どう切って、お客さまに安心してもらうかも考えます。お客さまって意外に鏡を見ているんです。お客さまが鏡越しに美容師のカットをずっと見ている様子が、僕にとっては心地がよくて。せっかく見てくださっているなら、そこでキレイなフォームでカットを見せていく。それが一つの説得力だし、お客さまに安心していただくための大事な表現だと思っています。
良い姿勢って、例えば肘をあげること。肘をあげた方が手首に対して負担はないし、腱鞘炎とかになりにくかったりするんですけど、それだけじゃなくて安定したカットもしやすい。それにお客さまから見ても、しっかりしたカットをしてくれているなという安心感、信頼感につながる部分だと思います。その全てがつながるんじゃないかなと思うんです。
ヘアショーをさせてもらう時も、そこは意識しますね。裏テーマとして演出もあります。絶対に切る時の姿勢が鈍ったらダメだと思っているので。