最近ではインスタグラムで自分の作品を発信することで集客やスタイルの共有をする美容師さんも少なくありません。そのためには、撮影スキルも必要となってきますよね。しかし、撮影に慣れていない一般のお客さまをかわいく撮るのはなかなか難しいもの。

そこで今回は、一般の女の子をかわいく撮れるフォトグラファーとして注目を集める花盛友里（はなもりゆり）さんにインタビュー。プロやサロンモデルだけでなく、一般の女の子もかわいく撮るコツを伺いました。かわいく撮るには、テクニックも大切ですが、女の子とのコミュニケーションが重要なのだそう。

写真の良さは被写体モデルの表情が9割。まずは信頼してもらうこと

私は、モデルの子でも一般の子でも、撮影したらその子のことをめっちゃ好きになるんです！ 撮影をするときはまず、その子の個性や魅力を知るためにたくさん話をします。

アシスタントの頃、先輩に「モデルが9割だから」と言われたことがありました。それは、カメラマンとかスタイリスト、ヘアメイクの力もあるけど、最後はモデルさんがいい表情を出せるかどうかが作品の出来栄えを左右する、ということ。

写真を撮る人のことを信用していなければ、モデルさんもいい表情を出せません。なので、短い時間でもいい表情を引き出せるように、たくさんコミュニケーションをとって自分のことを信用してもらうことが1番大事だと思うんです。

プロのカメラマンじゃなくて、美容師さんでもそこは同じ。まずはモデルをしてくれる子に寄り添って、髪やスタイルのことだけを考えず、自分の作品に参加してくれている“宝”みたいな気持ちで接してほしい。そうすると、すごく写真の雰囲気が変わる気がするんですよね。

撮影中は不安にさせないために短時間でたくさん撮る！　

私は「このモデルさんは、どの位置から撮られるのが気持ちいいんだろう？」ということを考えながら撮っていますね。もちろん、美容師さんの撮りたい写真の角度もあると思うけど、モデルさんにとってよくない角度だったら意味がない。どんなにかわいい髪型でもかわいい写真が撮れません。

たとえば「ちょっとこっち向いてみて、こっちもめっちゃかわいいやん！」みたいな感じで。 “ココ”という角度を決めずに、まずは全部の角度を試してみてください。新たな発見があるかもしれないし、いろいろな表情も撮れるから写真の選択肢が広がると思います。

とはいえ、撮影時間が長いのはNG。お互い集中力も続かないし、撮られている人も「私がダメなのかな？」と不安になってきます。いっぱい撮りたい場合は「この角度がいいからいっぱい撮りたい」とか、もっと撮りたい「ポジティブな理由」をちゃんと伝えてあげることが大事です。

撮られる側の気持ちになって緊張をほぐす言葉をかける

ステキな表情を撮りたいけど、一般の子だと経験がないからどうしても緊張するものです。表情が固いときはたくさんしゃべって、緊張をほぐすしかないんです。「そりゃ緊張するよね！」とか「１回深呼吸してみよう、一緒に！」とか、相手の気持ちを汲んで声をかけてあげることが大切。もし、自分が撮られる立場なら…とモデルの気持ちになって声をかけてあげると、安心してもらえます。

美容師さんって話すのがとても上手じゃないですか。だから撮影中もそれを活かせば上手くいくと思うんですよ。私は、ファインダーを覗いて撮影しながら、ずーっとしゃべっています。カメラを構えながら話をしていると、会話中に笑顔が溢れる、かわいい瞬間を逃さず捉えることができるんです。

笑いのきっかけをつくり、自然な笑顔を引き出す

髪をつくっている間におしゃべりしていると、その子がどんなふうに笑うのかとか、どんな表情が魅力的か知れますよね。笑顔がいい子もいれば、スッとした真顔がかわいい子もいる。でも私の経験上、女の子は笑顔だったらオールOK！　笑っていたらほとんどの子がかわいく見えるし、Happy感がある。それに、女の子の笑顔はみんなが好きです。

でも、いざ撮るとなったらまったく笑ってくれなかったり、爆笑した顔がかわいいのに自分のキメ顔しかしてくれなかったり。そういうときは、おもしろいこと言って笑わせます。「飛んでみて」とか「変な顔してみて」とか、自然な笑顔を撮れるようにします！

あと、スマホで撮影するときは連写がおすすめ！　3枚くらい撮っただけで「もういいよ、ありがとう」と言われると、女の子は「ちゃんと撮れたかな。微妙は顔しかなかったらどうしよう」と不安になるものです。それに、大げさなくらい連写したほうが、モデルさんから「めっちゃ撮るねー！（笑）」とツッコミが入るなど、笑いのきっかけにもなります。

＞女の子をかわいく撮るための撮影テクニック！　やりがちなNGポイントって？