あなたが完璧なカットをしていても失客する理由、教えます。

(2)「なぜその髪型にしたいのか」をもっと探ろう

 

 

では、どうすればお客さまの気分や気持ちを聞き出すことができるでしょうか。

私がお客さま向けのイベントで行うのは、『女は、髪と、生きていく』の中でも紹介した、「どんな言葉で形容されたいか」を考えて書き出すワークです。

可愛く見られたい。色っぽく見られたい。仕事ができる人に見られたい……。理想の自分を書き出してもらい、それを美容室でのカウンセリングで伝えてもらいます。

これをやってもらったお客さまからは、「今までで一番いい髪型になった」とか「はじめて納得のいく髪型になれた」という声をたくさんいただきます。「どんな自分になりたいか」を美容師さんに伝えることで、顔や髪質だけではなく、心にも似合う髪型が手に入るから満足度が上がるのです。

 

サロンでこのワークをやってもらうのは難しいと思いますので、私はお客さまが「どんな自分になりたいか」を短時間で引き出す方法をお伝えします。

オススメなのが、2択で答えられる質問。たとえば、若々しくor大人っぽくならどっちがよい?。可愛くorカッコよくなら? 仕事重視orプライベート重視?……などの2択で答えられる質問をすると、短時間でお客さまの「なりたい自分像」が見えてくるはずです。

 

また、写真を持ってきたり、「前髪を切りたい」などの、はっきりとした髪型の希望があるお客さまでも、もう一歩踏み込みましょう。

その写真の髪型にすること(前髪を切ること)によって、どんな女性になりたいのか。どんな雰囲気を求めているのか。それを聞くことで、求めているイメージのズレがなくなります。

お客さまが求める雰囲気を深堀りしていくことで、美容師さんの技術が生き、お客さまの満足度があがるのです。

 

 

(3)「前回どうでした?」でお客さまの本音は引き出せない

 

 

ではリピートのお客さまの本音はどのように引き出せばいいでしょうか。

2回目以降のお客さまへ対してよくある「前回どうでした?」というお声がけ、これも実は、残念ながら女性たちの本音を引き出すことができていません。というのも「前回どうでした?」と聞かれると、お客さまとしては「良かったです」以外の答え方をしにくいからです。

これは脅威のリピーター率を誇る美容師さんの話なのですが、その方は「前回やりづらかったところはどこですか?」と聞くそうです。それくらい「やりにくかったことがある前提」で質問しないと、お客さまの本音は引き出せないんでしょうね。

やりにくかったところや、気に入らなかったところを聞くのは、そのときはちょっと傷つくかもしれません。でも、この聞き方をすると、お客さまも安心して、「しいて言えば……」と不満があった部分を伝えてくれるはず。たとえ99パーセント気に入っていたとしても、1パーセントの気に入らない部分を話せる美容師さんとは長く付き合いたいと思うものです。

 

>(4)「前より良くしてあげたい」気持ちを伝える

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