伝説の美容部員が明かす売上アップの秘策-応用編-

実はクレーマーこそリピーターになりやすい

 

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クレーマーは「一番いいお客さま」です。クレームのなかには、お店や商品の改善点が含まれていますし、気難しそうなお客さまこそリピーターになりやすいのですね。なぜなら、「いいお客さまは、どこにいってもいいお客さま」なので、離れていってしまうことが多いですが、クセのあるお客さまはそうはいかないから自分のもとに留まってくれるんです。難しそうに見えても「お仕事、お疲れですか?」と労いの声をかけながら肩をもんであげたり、不満ごとをじっと聞いてあげたりして信頼関係を築けば、いずれ自分が主導権を握ることができます。「またいろいろお話聞かせてくださいね」と言って送り出せば、気軽に足を運んでくれるようになるものです。

 

売上数字を常にチェックする

 

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私は月の数字はもちろん、「一日当たりの売上目標」を持って働いていました。そうすると、売上が足りない日は、お客さまに電話してみるなど、「やるべきこと」が見えてきます。「数字へのこだわり」も欠かせません。私の場合は、1時間おきに自分の数字をチェックしていました。ただし、すぐに売ろうと思ってはダメ。例えば1時間の電話でリップが一本しか売れなくても、必ず次につながります。お客さまに店頭にお越しいただいた場合は、必ず百貨店の外までお見送りするなど、直接数字に結びつかなくても最高のおもてなしをすることが大事。数字へのこだわりは必須ですが、「すぐに数字につながらないこと」にどこまで力を入れるかで勝負が分かれます。

 

仕事の痛みは、仕事で癒す

 

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恋の痛みは恋でしか癒されないと言われることがあります。これは仕事にも通じることだと私は思うのですね。仕事をしていれば、誰しも「ガーン…!」と落ち込むことがあるはず。その気持ちを引きずったままでは、いい接客はできません。ではこういうときはどうするかというと、私は「大好きなお客さま」に救ってもらっています。嫌なことがあったときに「○○さまの声が聞きたくなりまして」とお電話したり、来客予定を確認してお客さまとの楽しい時間をイメージしたり…すると心のモヤモヤがスッと晴れるんです。大好きなお客さまを作るためには、いつも自分が一生懸命でないとダメ。「一生懸命」が人の心を動かしてファンを作ってくれるんですよ。

 

 

美容部員と美容師とでは仕事の内容が違います。ですが、「DMの書き方」や「クレーマーとの付き合い方」、「仕事と向かうスタンス」などは、共通していることも多いのではないでしょうか。また、日本トップクラスの売上を上げる美容部員さんでも、「運やセンス」だけではなく、地道な努力や工夫を重ねていることが分かったと思います。ぜひ、宮下さんのアドバイスを、売上をあげていくためのヒントにしてください。

 

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プロフィール
Zin/オーナーセラピスト
宮下 佳子(みやした かこ)

日本ロレアル株式会社、ジョルジオアルマーニコスメティックスにて美容部員を勤め、入社5年間、売上トップを走り続ける。社団法人オーガニックエステ協会認定、フェイシャルアドバイザーの資格取得。現在は恵比寿と方南町に店を構えるエステサロン「Zin」のオーナーセラピストとして活躍している。

http://www.zinesthetic.com/

 

(文/外山 武史)

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