日本からロンドン、世界へ。伝説の美容師・「TONI&GUY」雑賀健治の生きた道とは?|雑賀英敏インタビュー

美容師になって改めて父の偉大さを実感することに

 

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僕が美容師になってからは、父親の偉大さを実感することが多かったですね。たまたま父が多毛のボブのお客さまを切っているところを見たことがあって。いきなり髪を掴んでジョキっとハサミを入れたんです。「何してるんだ!」と思っていたのですが、乾かしてみると完璧に整っていて。これが極めるということなのか、と素直に感動しました。

 

父が昔提案したオリジナルカットを見ると、今でも通用するものが多いんです。いい意味で、奇抜で斬新なヘアスタイル。日本でそこまで攻めたヘアスタイルを作るのは、川島文夫先生か父かって言われたくらい。僕もそう思いますね。

 

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晩年には、トニーと父が得意としたアイロンテクニック「マーセルウェーブ」(ドライヘアにフィンガーウェーブをしていくテクニック)を練習していた僕に、その技を継承してくれました。高度な技術を要するもので、その技術を極めた父は、やっぱり日本で唯一無二の存在なんだと思いました。

 

美容について僕に多くを語りませんでしたが、背中でいろいろと教えてくれた人でした。その精神を若い美容師たちに伝えていくのが、僕の使命ではないかと思って、僕も毎日忙しく過ごしています。父ほどのスケジュールは無理ですが(笑)、そういう点でも、父は偉大だなと思いますね。

 

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プロフィール
インターナショナルアーティスティックディレクター
TONI&GUY JAPAN 代表取締役社長CEO/雑賀 英敏(さいが ひでとし)

父・健治氏の姿を見て美容師になることを決意。1996年に渡英し、TONI&GUYに入社。ロンドンでトニーアンドガイUKアカデミーマネージャーを務める。2010年TONI&GUY JAPANに移籍。現在、インターナショナルアーティスティックディレクターの一員として世界各国でショー・セミナーやコレクションバックステージを手掛ける。

 

(取材・文/酒井 美絵子  撮影/当山 礼子  写真提供/TONI&GUY JAPAN)

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