あの人も、くすぶっていた時期を乗り越えてきた！ 人気サロンの美容師が語る「逆転美容師人生」
一時は辞めることも考えた！？ 代表の助けと想いを胸に、誰かのために働く美容師へ－Violet 上野大輔さん
——これまでの美容師人生で「つまずいたな」「くすぶっていたな」と思う経験を教えてください。
アシスタント3年目の半ばごろ、代表の前原のメインアシスタントをしていたときでした。
母に病気が見つかったり、自分で学費を払うために借りた借金も膨れ上がってしまったり、さらに自身も体調不良で倒れてしまうなど、いろいろ重なってしまったんです。そんな状況で、「普通の会社員だったらもっと収入があって借金の問題ももっと楽だったかもしれないのに、なんでこの仕事やってるんだろう」と、仕事に身が入らなくなってしまいました。それまでは休みも毎日最後の一人になるまで練習していたのに、それもパッタリやめてしまったんです。
周りには気を遣わせたくなくて何も相談していませんでした。でも今まで誰より練習に励んでいた僕が突然やらなくなってしまったので「なんかあったんだろうな」と察されていたとは思います。でもみんな「大輔の思うようにやってみなよ」って、いつも通りに接してくれていました。きっと美容師としての技術面でつまずいていると思っていたんでしょうね。でも僕は美容師という仕事自体へ向かう意味がわからなくなってしまっていたので、もう辞めようと思ったんです。
——その状態からどのようにして“逆転”したのですか？
前原に「辞めます」と伝えたのですが、やっぱり止められました。でも僕は「今すぐ大金を稼げる職業に就いて、今抱えている問題をどうにかしたい」と強く決心していたので、最初は前原のどんな言葉にも耳を貸さず、頑なな態度を貫き通していました。
そんなあるとき、前原の撮影に同行した際、一緒に食事に行ったんです。そのときに前原から、「大輔のお母さんはそういうことで稼いだお金でなんかするより、大輔が選んだ美容師という道で頑張って、お母さんの髪を切ってあげたりしたほうがうれしいと思うよ」と言われて。その言葉で「もう一度頑張ってみようかな」と思い直せました。
前原は借金や母の病気についても、知人の弁護士さんを紹介してくださったり有名なお医者さんをセカンドオピニオンで紹介してくださったりと、すごく助けてくださいました。
僕はそれまで、自分が親孝行できない理由はお金にあると思っていました。でも誰かに感謝の気持ちを伝える方法はお金じゃなく、自分の行動や思いやりなんだと理解しました。前原が大事にしている、「誰かのために何かする」ということの意味がわかり、僕も美容師としてお客さまの自己実現の背中を押せる人間になりたいと改めて思ったんです。
——その後、ご自身の生活はどのように変わりましたか？
前原の影響で、僕も老人ホームに行って、無料で髪を切るボランティアを始めました。もともとは自己中心的な思考で、とにかく効率や成果の追求が大切だと思っていたのですが、「お客さまのために」「Violetのために」「前原のために」「スタッフのために」という想いをずっと持てるようになりました。
前原に相談したことがきっかけで、「誰かに頼ってもいいんだ」と思えるようになり、先輩には甘えるようになりました。僕自身しっかりした上下関係があまり好きではないので、後輩にも自分の弱いところを見せたりして、対等に接しているつもりです。
「何かうまく行ったときはみんなのお陰で、失敗したときは自分のせい。心からそう思えるように、今自分を支えてくれている人に感謝しよう」と思って、生きるようになれました。
——今、うまくいかないと悩んだり、落ち込んだりしている若手美容師さんへ、応援のメッセージをお願いします。
仲間が悩んだりつまずいたりしたときは、肩を貸して、一緒に悩んで、自分が悩んだときは、思いっきり仲間を頼りましょう。誰かに弱いところを見せられる、そんな関係をみんなで作れると、きっと自分も周りもHAPPYにできる美容師になれると思います！
＜プロフィール＞
Violet
スタイリスト／上野大輔（うえの だいすけ）
1997年生まれ、千葉県出身。国際文化理容美容専門学校渋谷校卒業後、2018年にViolet入社。何事にも勉強熱心で、社内では商品開発にも携わる。韓国風スタイルを得意とし、新規顧客の韓国風パーマ率は80%を超える。
＜まとめ＞
どの方もくすぶっていた時期から脱却するために、悩んで考えて、諦めずに努力を続けて這い上がってきていたようです。今悩みを抱えて大きな壁にぶつかっている方も、解決の糸口を見つけるきっかけに、ぜひ3人の経験を参考にしてみてくださいね。
（取材・文/QJナビDAILY編集部）
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