数百人に転職アドバイスをしてきた就職エージェントアドバイザーが教える【美容師の面接】
美容師は売り手市場だから面接はぶっつけ本番でも大丈夫。そんな認識は過去のものになりました。コロナ禍を経て美容師就職シーンは買い手市場にシフトしつつあります。面接できちんと自分のアピールをできないと就職転職が危ぶまれる時代がきています。ましてや“今よりいい条件で働きたい!”というのであれば面接でもしっかり自分をPRする必要があります。今回は前回の【履歴書編】に続き、数百人の美容師さんに就職のアドバイスをしてきた、リクエストQJエージェントのアドバイザー宮本綾子さんに、美容師が面接でやりがちな失敗と抑えるべきポイントを伺いました。
Point.1 基本の『き』礼儀とあいさつ
面接のとき、店舗見学のとき、大切なのは基本的な礼儀とあいさつです。自分では「できている」と思っていても、はたから見ているとNGなことが多いものです。改めておさらいしておきましょう。
☝ 基本のポイントは4つ
・服装はサロンのテイストに合わせること 露出はNG
・時間には絶対に遅れない
・挨拶は目を見て笑顔ではっきり全員に
・用件は過不足なくきちんと伝える
まず、服装は受けるサロンの雰囲気に合った服装を心がけます。履歴書編の写真のポイントでもお伝えしたように、露出の激しい服や奇抜すぎる服装はNGです。夏でもノースリーブは避けたほうが無難です。
次に、当然ですが、絶対に時間に遅れないこと。10分前にはサロン付近に着いて時間通りにサロンを訪問しましょう。
サロンに入ったらまずはあいさつです。「あいさつなんてするに決まっている」と思っているかもしれません。でも面接に同行すると、できていないことが多々あります。あいさつは目を見て笑顔ではっきりと。重要なのは最初に会ったスタッフさんや担当者だけでなく、どの方にもきちんと挨拶をすることです。
受付で面接に来た旨を伝えるときは、例えば「こんにちは。10時に面接のお約束をした山田太郎と申します。担当の高橋さまはいらっしゃいますでしょうか。」のように必要事項をきちんと伝えましょう。
Point.2 面接での受け答え作法とNG
面接の際に受け答えについても過不足なく、聞かれたことに沿った回答をしましょう。内容の良し悪しも大切ですが、まずは感じの良いコミュニケーションが取れているかどうかが重要です。
☝ 受け答えで押さえておきたいポイントは3つ
・基本の自己紹介を1~2分でまとめておく
・笑顔でハキハキ
・聞かれた質問に的確に答える
自己紹介を1~2分程度で伝えられるようにまとめておくと、どこから聞かれてもアレンジがききます。「名前、年齢、経歴(どのサロンで何をしていたか)、このサロンで何がしたいのか。」くらいはスラスラ話せるようにしておきましょう。
面接は基本のコミュニケーションが試されます。ここでも笑顔ではきはき受け答えができるようにしましょう。緊張していてちょっと固いぐらいなら面接官もわかってくれるので問題ありません。でも、横柄な受け答えや自分がサロンを見定めているというような態度はやめましょう。
また、自分の言いたいことばかりを言わず、聞かれた質問に的確に回答することも大切です。出身校を聞かれただけなのに延々と学生時代の武勇伝を語ったりしないように。
Point.3 面接の超重要ポイント志望動機について
志望動機で重要なのは「他のサロンでなくどうしてこのサロンなのか」ということです。面接に同行すると「紹介されたので」などと言ってしまい、どうにかフォローをしたというケースも過去にはありました。面接する側の立場にたって言葉選びをしましょう。
☝ 志望動機のポイントは3つ
・家が近い、お給料などどこのサロンでも言える理由はメインの志望動機にしない
・サロンのことを事前に調べて知っておく
・志望動機はサロンの特徴と自分のやりたいことを絡める
「家が近いから」や「お給料が前よりいいから」なども理由の一つとしてはよいですが、メインの志望動機にはしないようにしましょう。
サロンのことを知らずに志望動機は伝えられません。このサロンだから入りたいのだという理由を示すには、事前にHPやSNSをチェックします。場合によってはお客さまとして、または見学でサロンに行ってみてください。実際に自分の目で見たり、お話を聴いたりすることでよりサロンのことがわかります。
サロンの特徴を把握したら、自分のやりたいことと絡めて志望動機を伝える必要があります。採用する側の立場に立ってみましょう。カラーに強いサロンであれば、「カラーの技術を得意としているので、髪を傷めない美しいカラーを極めるためにこちらのサロンで働きたいです」と言われた方が、「家が近いので」と言われるよりずっと採用したい気持ちになりますよね。
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