スタイリストデビューはゴールじゃない！【売れる】スタイリストになるアカデミー教育とは？

公開日 : 2022.08.17

更新日 : 2022.09.01

「この美容師さんなら安心して任せられる」と言われる接客と技術を育てます。

―続いて、講師を務める高木さんにもお話しを伺いたいです。そもそも、アカデミー設立の目的はどんなものなのでしょうか？

高木：私がこれまで美容師として働いてきた中で直面してきたのが、高い離職率です。友人を見渡しても8割くらいの人は美容師を辞めてしまったのですが、理由を突き詰めると、『人間関係』と『技術の習得ができなかった』という2つに行き着くんです。

一方で、美容師はスタイリストになれば自分で売上を上げられるようになります。本来はそこからが美容師のスタートです。短期間で技術と接客を習得できるようになれば、その分早く売上は上がり、お給料も上がります。アカデミーの目的はアシスタントからスタイリストに早期育成し、生産性の高い美容師を育てることです。

アカデミーでの授業風景

―スタイリスト育成コースは半年間、週1回７時間を18回と聞きました。1回の講習はどのように進むのでしょうか？

高木：午前中は接客、午後は技術の講習になります。午前中いっぱいが接客の講習というと、接客の比重が重いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、接客こそが、指名の途切れない【売れる】美容師になれる肝だと考えています。

なぜなら、カウンセリングでの意思疎通がうまくいかず失客することはすごく多いんです。せっかくの技術も、接客がうまくいかなければ活かしようがないので、実は技術以上に大切なことなんですよ。それに、技術はスタイリストになってからも習得する機会はたくさんありますが、接客はそうはいかないんです。

―具体的には、どんなレッスンをするのでしょうか？

高木：例えば、同じお題に対して、15秒、30秒、1分、5分などで話すレッスンがあります。同じメニューや商品の説明をするのに、忙しいときは内容を集約して説明しなければいけないですよね。「あなたにはこれが合っていますよ」という同じ内容を異なる時間でも言えるように練習します。美容師さんって実はシャイな方が多いので、堂々と話す練習にもなります。それを身につけることで「この美容師さんなら安心して任せられる」とお客さまに思っていただけるようになります。

―先ほど、蒲さんの話の中で「手を動かしながら話すレッスンがある」ということでしたが、これはどういう狙いがあるのでしょう？

高木：施術の最初の方は会話していても、だんだん無口になってしまう美容師さんって結構多いんです。無口になると、お客さまも「話さないほうがいいのかな」と思ってしまい、鏡越しに施術をジーッと見つめるしかなくなってしまいます。すると、見られている美容師さんは緊張してしまうので、動きがぎごちなくなってしまいお客さまに不安を与えてしまう……という悪循環に陥りがちです。そうならないためのレッスンになります。また、モデル実習もありますので、そこでも手を動かしながら話すトレーニングを実践します。最初は皆さん不安と言いますが、アカデミーを卒業する頃には「自信がついた」と口にしています。