人生はリベンジの連続! 失敗を失敗のまま終わらせない NORA Journey 阿形聡美の「ポジティ部」【前編】
<Training01>ピンチからポジティブ思考を鍛えよう
コーチが体験したピンチをもとに折れない心のつくり方、前向き思考をトレーニング!
アイドルの一言で現場の空気が凍る…! 死ぬ思いをしたヘアメイクデビュー
スタイリストデビューして少し経ったくらいのタイミングで、広告撮影の現場でアイドルのヘアメイクをすることになりました。雑誌のヘアカタ撮影などの経験はあったので、変に自信を持っていたんですよね。ヘアメイクも余裕だろうって思っていました。
いざ広告撮影の現場に行くと、そこはヘアカタの撮影とは全く違う雰囲気。ヘアメイクをするにしても、アイドルやカメラマン、ディレクターの要望を優先しなくちゃいけないわけです。「ストレートヘアで」という話だったので、自分がいいと思うボブをつくったんですが、アイドルの子の好みと違ったみたいで…。本人から「なんか全然違うんですけど」と言われてしまい…完全に現場の空気が凍り付いてしまいました。
何度かやり直したんですが、最終的には「自分でやるからそれ貸してください!」とアイドルの子に言われてしまう始末。撮影の途中で、商品であるスポーツウェアの首元が見えるように、「髪を結びましょう」という話になったのですが、なかなか結ぶタイミングを見つけられず…。「どうして結ぶために座ってくれないの?」と思っていましたが、ヘアメイクの現場では撮影を優先するのが当たり前のことなんですよね。そんなこんなで、撮影中はずっと気持ちが一杯いっぱいで「ダメだ死ぬ…死んじゃう…」と思って耐えていました。
ヘアカタの撮影では、美容師である自分がイニシアティブを持つことができます。モデルさんは、椅子に座って、私に髪を委ねてくれる。でも、アイドルのヘアメイクの場合は、彼女を一番に引き立てなくてはならない。頭の中ではわかっていたつもりなのにできなかったんですよね。仕事をくれた方からも、「お前がこんなにできないと思っていなかった」と言われてしまいました。
事前準備不足を痛感したので、それからは現場に入る前にネットなどでいっぱい調べて、どんなヘアスタイルが好きなのか理解してから臨むようにしています。でもこれって、当たり前のことなんですけれどね。「次の現場では絶対に挽回する!」と思ってリベンジを誓いましたが、結局、そのアイドルからは外されてしまいました(笑)。でも、その後、別のメンバーには気に入ってもらえたので、今も担当させてもらっています。
♦♦♦Training01のおさらい♦♦♦
自信は大事だけど慢心は禁物! どんな仕事も最善の準備をしよう! それで失敗したなら仕方ない!