人脈は、伏線。損得を考えたら広がらない! CODE+LIMワタローさんの人脈論
美容師にとって“人脈”は最強の武器。顧客が増えるのはもちろん、セミナー講師といったサロンワーク以外のチャンスにも恵まれるなど、人脈がもたらすメリットは数えきれません。そんな“よい人脈”をコツコツと築き上げ、メキメキ頭角を現している若きエースが「CODE+LIM」のワタローさんです。
若干28歳で月200人を超える国内外の顧客を担当し、そのリピート率は約8割。ワタローさん曰く、人脈を広げるためのキーワードは「興味」と「信頼」だそう。ワタローさんがよい人脈を築くためにどのようなことをしてきたのか、その方法を教えてもらいました。
たった1人でもいい人と出会えれば、それが人脈のベースになる
僕は25歳でスタイリストデビューしました。実は、交友関係に時間を割きすぎて、同期と比べてデビューは遅かったんです。でも、数字や成績では先にデビューした同期たちをすぐに抜くことができました。その理由は、寝る間も惜しんで美容以外の活動にも熱心に取り組み、人脈を広げたからだと思っています。
例えば、僕は美容学生時代に古着業界の方に出会ったのですが、その方はイベントやフリマなどに参加するたびに僕を紹介してくれて、「ワタロー」という名前を原宿界隈に広めてくれたんです。原宿での知名度は劇的に上がりました。さらに、原宿界隈にはクリエイティブな職業の方が多いので、新規顧客獲得だけでなく、ヘアメイクの仕事などもいただくこともありました。
それが今の僕の人脈のベース。たった1人でもいい人脈を持っていれば、チャンスに恵まれる機会は格段に増えるんです。
「おもしろそう」と「メリットがありそう」で、相手の興味を惹きつける
人脈を築くためには、まず自分に興味を持ってもらわなければはじまりません。それに、ただむやみに「連絡先を交換してください」って頼まれても「何のために?」ってなりますよね。知り合うことでお互いにメリットが生まれる関係を相手に期待させなければ、有効な人脈は築けないと思っています。
僕が相手に興味を持たれるためにしているのは、おもしろい人間であることや、知り合うメリットがある人間だということを示すための“カード”をなるべくたくさん持っておくこと。今の僕の手札は、大好きな映画や最近ハマっている落語、原宿や大阪の街に関する知識、そして撮影やフォトブック制作といった美容師以外の趣味などです。例えば、「撮影の経験がある」というのはメリットを示すためのカード。そういう会話の流れでお客さまから撮影のお仕事をいただくこともあるんです。
おもしろい人間だと印象づけるには、カードの出し方にもコツがあります。例えば、「ワタローのおすすめって何?」と聞かれたときに答える、本や映画、原宿界隈のお店の情報といったカードは平凡なカードです。だけどたくさん蓄えておけば、一気に出したときに「いろいろなことを知っている人なんだな」と印象付けることができます。
よりおもしろい人間であることを印象づけるためには、レアカードを持っておくことも大切です。僕の場合、狙って落語を好きになったわけではないのですが、「落語にハマっていて」と言うとギャップを感じて、興味を持ってくださる方も多いんです。
>人脈は無理やり広げてはダメ! 興味を持ったもらった後に重要なことって?