パーマを諦めるのはまだ早い! 比率アップを狙うなら「お悩み解決」でアプローチ —読むレッスン
パーマを提案しよう! ——サロンワークの最中にどのくらいそう思っていますか? 美容業界全体を見渡してもなかなか上がりづらいパーマ比率。そんな中でMINX 原宿店の花渕慶太(はなぶちけいた)さんは、20〜30%のパーマ比率を常に保っています。
その比率を支えているのが、お客さまのお悩みにアプローチするポイントパーマ。
新規のお客さま、パーマメニューを予約していないお客さまにも、当然のようにお悩みを解決するためのポイントパーマを提案し、リピートと信頼を勝ち取っている花渕さん。提案のコツと、最もアプローチしやすい「伸ばしかけの毛先」へのポイントパーマテクニックを教えてもらいます。
お悩み解決パーマを提案すると、パーマ比率が上がるって本当?
デザインからアプローチしていくパーマと比べ、お悩み解決目線でかけるパーマは、ヘアスタイルを大きく変えません。そのぶん、提案したその日に「やりたい」と返事がもらえる場合がほとんどです。それがパーマ比率アップにつながっているんだと思います。
例えば、いつかヘアスタイルを変えるためのパーマ提案をしたいと思っているお客さまがいたとします。そういうお客さまにもポイントパーマを体験してもらえば、パーマに対する心理的なハードルが下がり、デザイン的なアプローチでのパーマ提案も受け入れてもらえる可能性が高まります。
そもそもパーマをかけたほうが、ヘアスタイルの再現性が高まるお客さまは多いんですよね。一部分のハネやクセ、毛先の表情へのちょっとした不満…。美容師もお客さまも「わざわざパーマをかけるほどでも」と思っている部分こそ、家に帰ってからの再現性に大きく関わる部分だったりします。
そういう小さい悩みや不満を見逃さずにパーマで解決することで、お客さまからの信頼をより得られるというのが、お悩み解決目線でかけるパーマの一番いいところだと思っています。
実践|ハネやすい毛先へのお悩み解決パーマテクニック
鎖骨レングスや伸ばし途中の髪に多い、「毛先のハネ」と「まとまりのなさ」のお悩み。今回はこれを例にお悩み解決パーマテクニックを紹介します。
◆テクニックのポイント◆
1.内側の髪にパーマをかける
「毛先のハネ」や「まとまりのなさ」の原因は、内側の髪にあることがほとんど。内側の髪をパーマでおさまりよくすれば、表面の髪は自然にまとまり、毛先も内に入ってくれる。
2.デジつけ巻きで短時間施術
お悩み解決パーマの施術は、お客さまの予定になかった場合も多い。そのため、できるだけ短時間で終わらせることも大切。花渕さんはカットから仕上げまでで、1時間半を目標にしている。
※デジつけ巻きとは?
ノンアルカリの薬剤を使用し、つけ巻きの状態で低温デジタルパーマをかけるテクニック。通常のデジタルパーマよりも施術時間が短縮でき、またノンアルカリの薬剤を使うのでダメージを抑えられるのが魅力。
STEP1「お悩みチェック」
鎖骨レングスのボブスタイル。肩に当たる毛先がハネやすく、全体的に毛先に弱くうねりがある。毛先にブリーチ履歴があり、パサつきがちでまとまりが悪い。普段はアイロンで毛先を内に巻いているが、自然に内に入るようにするのが希望。
STEP2「お悩みの原因を確認しアプローチを決める」
内側の髪のうねりとハネが、表面の髪に影響してしまっているのがわかる。お悩み解決パーマではこの部分にアプローチ。
STEP3「お悩みに合わせた施術」
1.ネープは毛先から1.5回転。
髪質に合わせて、ウエーブが細かく出ない程度のロッドを選び、つけ巻きで毛先から1.5回転。ダウンステムでボリュームが出ないように巻く。(ロッド径数:18ミリ)
2.前に向かって流れがちな耳後ろは後ろに引いて
ミドルも同様に毛先から1.5回転巻く。耳後ろの髪は前に向かって流れやすいクセがあるため、パネルをやや後ろに引き出して巻く。(ロッド径数:20ミリ)
3.顔まわりは耳上の1パネルのみ巻く
耳上の髪はカットラインに合わせた角度で、毛先から1.5回転巻く。(ロッド径数:22ミリ)
4.時短かつ、ダメージが抑えられる「デジつけ巻き」
45度で7分加温(デジタルパーマ)後、2液を塗布し。7分放置して水洗する。
完成|表面にはパーマをかけていないのに、まとまりのよい毛先に!
乾かすだけでまるでブローしたかのように、自然に毛先が内側に入る髪に仕上がりました。これでお客さまの毎朝のスタイリングも簡単に!
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