集客用ビジュアルを任される右腕から、働き方を変革する右腕へ! —オーナーとわたし。女性美容師の右腕物語 suburbia 杉下恵里子さん
撮影メインの仕事がサロンワークにもたらした効果
撮影の経験を重ねるにつれてサロンワークで新規のお客さまがいらっしゃっても、どんな人かだんだん読めるようになってきたんですね。やっぱり撮影をするために雑誌もすごく見たし、いろんなテイストのモデルさんに対応してきたので、幅広いジャンルへの理解が深まったんだと思います。
そうするとどんなお客さまに対しても髪型を提案するのも楽になってきて、デビュー当時感じていたような不安もなくなってきました。
とはいえ、めちゃくちゃモードな人がくると今でもやや焦ります。次の目標はそういった層のお客さまに対応できる自分になること。そういうジャンルの方をどういうふうに集客して、どうやって満足してもらえるか。今はそこに興味があります。
オーナーの下で働き続けていいんだ!
美容師を続けるか、辞めるか迷っていたのは、たぶん目標がなくなってしまったからだと思います。
集客用の撮影もこのままずっと私が続けていていいのかなと思い始めていたし、お客さまに対しても達成感を感じるような出来事があって、あれ、私やりたいことが終わっちゃったなって。じゃあ次はなんだろうと思っても、次の目標はすぐには出てこないですよね。辞めるほどでもないけど、次にやりたいこともわからない。去年1年間は、そんな感じで悩んでばかりいました。
悩みが少しクリアになったきっかけは、お休みをもらって1カ月間ニューヨークに行ったこと。これからの働き方や、そもそもなんで働いているんだろうということをめちゃくちゃ考えました。
そこで気づいたのは、私は人のためにじゃないと働けないということでした。これまでこれをしたらオーナーや後輩が喜んでくれるというのがあって、働けていたんだってわかったんです。それがないNYでの1カ月は、なんだか物足りない1カ月で……。このままオーナーの下で働いていていいんだ、働いていこう。改めてはっきりそう思えるようになりました。