人生のヒントはスクリーンの中に。私が学んだあの映画

  スタイリストにおすすめの映画 『時計じかけのオレンジ』

 

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 スタンリー・キューブリックの創造力に刺激される

 

映画は映像と音が一緒になっていて、一つの物語の世界観を楽しめるのがいいところですよね。前衛的で芸術性のあるものに面白さを感じ、考えを巡らせるのが好きなのかもしれません。

 

『時計じかけのオレンジ』は、青森から上京した時に12歳上の姉が「自分の中で映画の概念を壊した映画だよ。美容師になるなら観るべき」と教えてくれた作品。これを観るまで私にとって映画=ドラマの延長みたいなものだったんですけど「なにこれ映画?」って、姉の言葉通り自分の中の“映画観”も変えるきっかけになりましたね。最初のミルクバーのシーンからもう刺激的で、こういう表現方法もあるんだなと。

 

置いてあるセットとかも過激なんですけどいやらしさがなくて、画面に溶け込んでいるし、主人公のアレックスたちに襲われる小説家の家のインテリアもすごく素敵。70年代に作られた映画なのに、現代の自分が観ても新しいと感じられる世界観が衝撃でした。

 

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正直、一回目は物語が頭に入ってこなくてエンディングの時にも「?」の状態でした(笑)。だけど美容師になって、お客様などいろんな人とお話して自分の知らない世界を教えてもらい、何度か観ているうちに、この映画の作られた背景に興味が湧いてきた。風刺じゃないですけど、政治や社会問題など、製作された時の時代の流れを反映しているんだなって見方が変わりました。

 

監督であるスタンリー・キューブリックの感性にもとても刺激を受けます。たとえばすごく残虐なシーンでベートーベンの「第九」が流れているという不思議な組み合わせや、ファッションや独特の言葉遣いもすごく面白い。監督が意図して表現したかったものが視覚的にもストーリーにもたくさん含まれている映画ですよね。スタイリストは自分でお客様のスタイルを作らせていただけるので、必然的に責任も大きくなります。

 

やり方は違えど、美容師の仕事も相手に自分の作りたいものをどう表現するかという職業だと思うので、この映画に学ぶ部分が多いです。私もこの映画みたいに、街で二度見されるくらいインパクトに残る髪型を作れたらいいなって思います。

 

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『時計じかけのオレンジ』1971年/アメリカ

Blu-ray¥3111/DVD¥1543 発売中

発売・販売元:ワーナー・ブラザーズ・ホームホームエンターテイメント

STAFF:監督・製作/スタンリー・キューブリック

CAST:マルコム・マクドゥナル、パトリック・マギー

プロフィール
KINOTOLOPE
スタイリスト/唐牛初美(かろうじ はつみ)


1989年1月1日生まれ。青森県出身。
国際文化理容美容専門学校卒。美容師歴5年。
初めて観た映画:ドラえもんの映画
好きな映画:『ファンタスティクプラネット』

 

>最後は、あの有名な邦画を紹介!

 

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