人生のヒントはスクリーンの中に。私が学んだあの映画
店長クラスにおすすめの映画 『ロード・オブ・ドッグタウン』
好きなものにまっすぐ向かう気持ちを忘れないように
美容師として働き始めた20代の頃にすごく映画や音楽に詳しい先輩たちと出会って、映画を観るようになりました。自分のスタイルを持っている彼らがかっこよくて、憧れましたね。映画は、いろいろなことを教えてくれるもの。最近は忙しくて週1本観れるか観れないかぐらいなのが悲しいのですが…。
『ロード・オブ・ドッグタウン』は、70年代にスケートカルチャーで革命を起こした若者たちの青春物語。もともと旦那さんがその辺りに詳しくて、教えてもらって7年前くらいに観ました。私自身もスケートやサーフィンのように、音楽からファッションまで一貫したスタイルのあるものが好きで、作品を通してその世界に触れられます。
この映画で素敵なのは「若者たちのエネルギー」があふれていること。自分が本当に好きなことを、誰にやれと言われるわけでなく追いかけ続けて、最終的に世界を変えるようなブームを起こす。私の周りにも彼らのようにアツい若者がいてくれたら、お店にとっても自分にとってもいいなって思います。
また作中ではヒース・レジャーがサーフショップのオーナーとして出演していて、少年たちを集めてスケボーチームを結成し、世に出るきっかけを作る役なのですが、私もスタッフをまとめる立場上、好きなことを好きなだけやらせてあげられる環境を若い世代に作ってあげたいです。「ここで働きたい!」と思ってもらえるお店じゃないと、アツい気持ちを持った子たちも来てくれないですからね。
物語の最後に、主人公3人の中のリーダ的存在だったジェイという少年だけがメインストリームから離れてしまうんです。ただスケートが好きなだけなのに、色んな人たちが関わってきたことでその世界に取り込まれて行くのを拒む。私はこの不器用さもすごく好きで、大事なものだと思うんです。
私たちの仕事も「好き」という気持ちだけでは出来なくて、特に私のポジションはスタッフやお店を引っ張って行く力が必要ですよね。でもジェイのように純粋な想いを失くしたら絶対に駄目。「ただただ美容が好きなんだ!」という気持ちを忘れそうになったら、この映画を観たくなりますね。
『ロード・オブ・ドッグタウン』 2005年/アメリカ
DVDコレクターズエディション¥1480 発売中
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
STAFF:監督/キャサリン・ハードウィック、脚本/ステイシー・ペラルタ、制作総指揮/デヴィッド・フィンチャ−
CAST:エミール・ハーシュ、ヴィクター・ラサック、ジョン・ロビンソン、ヒース・レジャー
- プロフィール
-
KINOTOLOPE
マネージャー/箕輪幸枝(みのわ さちえ)
1971年5月19日生まれ。茨城県出身。
窪田理容美容専門学校卒。美容師歴23年。
初めて観た映画:『風の谷のナウシカ』
好きな映画:『ワイルドアットハート』