美容師お宅訪問 第2回 アンティークと植物愛に満ちたSTRAMAの大川さんこだわりの家
センスが問われる美容師という仕事。サロンではかっこいいけど実際のライフスタイルもオシャレなのでしょうか? センスの良い美容師さんにお部屋を見せていただく連載です。
第2回はSTRAMAの大川華代(オオカワハナヨ)さん。プレイヤーとして活躍しながらSRTAMAのプレスも兼務する大川さんがご家族と三人で住まれているお家に、編集部がお邪魔しました。
インテリア大好き! 植物が溢れた風通しのよい空間
▼大川さんのお部屋のプロフィール
場所:目黒区某所
居住年数:5年
Q. 5年前にこちらのマンションに越して来てリノベーションされたということですが、インテリアがお好きなんですね。
A. そうなんです。高校生のときの進路選択で、インテリアデザイナーも考えていたくらいで。だから、こうして美容師という道を選んでも、ずっとインテリアは好きですね。でも、若いときは使えるお金が限られているので、どうしてもファッションの方に重きを置きがちで。インテリアは好きだけどお金をかけられないという感じでした。今家にあるのは、そんな中でコツコツお金を貯めて集めてきた本当に好きな物です。
Q. 好きなテイストは昔からずっと変わらずなんですね。
A. はい。ベースにあるアンティーク好きは変わらないですね。今勤務しているSTRAMAも、好きなテイストは一緒ですね。あの空間で働きたいって思ったのも決め手の一つだったので、代表豊田のこだわりにはいつも刺激をうけています。
部屋づくりのこだわりが美容師としてのこだわりにも影響する
Q. 本当に素敵な空間ですが、美容師という仕事と住まいはどういうところで関係していると思いますか?
A. 家って、休息する場所だと思うんですけど、私はあんまりその考えはなくて。もちろん居心地がよくてリラックスできる場所ではあると思うんですが、家だから気を抜く場所だとはあんまり考えていないんです。
というのも、家の中はプライベートな空間ですが、いろいろこだわっていることが、仕事のこだわりと共通する部分があると思っていて。たとえば家って、乱雑にしようと思えばできちゃうじゃないですか。誰にも何も言われないし。でも仕事だと物を一つ置くときも丁寧に扱わないといけない。お店の隅々まで気が行き渡っていないといけない。それは仕事だからっていきなりスイッチがオンになってできることじゃなくて、普段から意識していないと絶対できないと私は思っているんですよ。使った物をもとの場所に戻すとか、物がいっぱいあっても整理されていたりバランスが取れた空間になってるとか……美意識を高めていくということは仕事も住まいも一緒で、ふだんの生活からこだわりや丁寧さを意識していると、仕事でもそれが生かせるんじゃないでしょうか。
Q. 具体的に、感性を上げるためにお家でしていることってありますか?
A. 感性をあげるためと言っていいかわかりませんが、私は料理が好きなので、よく友人を呼んでホームパーティーをして、手料理を振る舞っています。美容師という仕事もそうですけど、人の喜ぶ顔が見たいという思いが根底にあるんですよ。メニューも考えてプレゼンするのも好きです。新しい料理にチャレンジするのが好きで、食べてくれた人の反応を見て、次に作るときはもっとこうしようとか、常に考えていますね。夫には「お客さんにはじめて作る料理を出すなんてチャレンジャーだね」って言われているんですけど(笑)。美容師はヘアデザインを創る仕事なので、クリエイティブという意味では料理も同じだと思っています。作る過程にも気づきはたくさんありますしね。
料理好きの大川さんにとってキッチンは自分の城だそう。食器棚はフランスのクリエイター、ツェツェ・アソシエのもの。
その人のこだわりが詰まっている空間は、居心地がいい
Q. ライフスタイルの充実と美容師という仕事について、大川さんはどう思われますか?
A. 年齢を重ねると付き合う人たちの年齢も自然と上がっていきますよね。そういう人のお家に行ったときに、物で溢れてはいるんだけど、素敵な空間で居心地がいいなって思うことがあって、なんでだろうって思っていたんですけど、それって、その人のこだわりとかスタイルがすごく詰まった空間だからだって気づいたんです。家は自分の素が出る場所なので、私も、そういう風に思われる人になりたいんです。
そういうスタイルをもった人になると、お客さんにもフィードバックできるし、髪型をとおして人としての魅力が出てくるのかなって。
だから衣食住というライフスタイルにおいて、質を上げることは大切ですよね。それは決して高価な物を買い集めるという意味ではなくて、好きなものにこだわって日々の生活を豊かにしていくということだと思います。
Q. 仕事以外で関わる人や物も、実は美容師という仕事に影響を与えているということですね。
A. そうですね。私はもともと美容師以外の友達が多いのですが、今この年齡になって、子供のコミュニティを通して知り合う人など、ますます多様な広がりが出てきたなと感じています。その中には会社員のかたもいればクリエイティブなお仕事をしている人もいて、すごく影響を受けているので、いろいろな人と接することで、より人間として厚みが増していければって思います。
ヘアデザインって、その人のバックボーンを考えた上で提供しなきゃいけないですから、その人がどういう仕事をしていてどういう生活をしているのか、どういう考え方をもった人なのか、それらを全てを吸収して噛み砕いた上で、デザインとしてどういう風にフィードバックできるのかが重要です。いろんなジャンルのお仕事をしている人と接するのは、そうした想像力を豊かにするという意味でも、すごく大事だなと思っています。
- プロフィール
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STRAMA
大川華代(オオカワハナヨ)
都内一店舗で9年間サロンワークを続ける。出産・子育てを機に休業。その後仕事復帰とともにSTRAMAに入社。プレイヤーとプレスを兼任しながらサロンワークではお客さま一人一人をカットからフィニッシングまで全て担当している。
(取材/高橋 優璃・撮影/菊池麻美)