NYLON JAPAN編集長に聞く、ハイクオリティなスタイル撮りのHOW TO
美容師憧れの媒体のひとつ、「NYLON JAPAN」。その誌面作りに憧れを抱く方も少なくないはず。今回は、オリジナリティあふれる作品作りのコツや、SNS運用のヒントまで、NYLON JAPAN編集長・戸川貴詞さんにお話を聞きました。さらに次ページでは、「 NYLON JAPAN」 最新号に掲載された、NYLON JAPANとサロンがコラボ制作したヘアカタ作品を一挙ご紹介!ぜひ最後までご覧ください。
NYLONらしさは“らしさ”を追求しないこと⁉︎
−そもそもNYLONらしさは、どこに宿っているのでしょうか?
とてもよく聞かれる質問のひとつなんですが、出そうと思って出しているわけではないというのが答えです。
ファッショントレンドだけを追っているのではなく、時流…経済や世界情勢などを日々偏りなく情報として取り入れ、ユーザー動向なども含めて、今のNYLONが出来上がっています。創刊当時などは他誌の傾向をチェックしていた時期もありますが、今は全くしていません。
−NYLONらしいエッジの立ち方というのも意識されていない?
NYLONはそもそもエッジを立たせようと思ったことがないんです。
ただ言えるとするなら、トレンドに迎合しようと思っていないから、エッジが立っていると思っていただけているのかもしれません。
−トレンドばかり追っていないということ?
そうですね。ファッションだけ、カルチャーだけ、と特定の情報ばかり追ってしまうと、どうしても考えに偏りが出てしまい、逆にユーザーが求めているものに辿り着きにくくなってしまうと考えています。
常に自分の感覚を疑って、全ての事象をなるべく俯瞰で見ることは常に心がけていますね。
でも、もちろん自分が見て聞いて素直に感動したこと、心が躍った気持ちはとても大切にしています。
クリエイティブ作りの練習に最適なのは“完コピ”
−NYLONの誌面のようなクリエイティブに憧れている美容師さんも多いです。
絵作り、作品作りで何かアドバイスを頂けるとしたら、どんなことがあげられますか?
嬉しいですね。もしNYLON的な絵作りをしてみたいという方がいらっしゃるのなら、一度とことんマネをしてみるといいと思います。
衣装、メイク、ライティング、ロケ地。
一度全てを完コピしてみることで、自分自身について改めて見えてくること、例えば自分の本来の好みや、次回の課題点が見つかることもあります。
あとはじっくり自分がいいな、と思うものを集めてムードボードを作ってみたりするのもいいと思いますよ。
−例えばカメラマンさんやモデルなど、スタッフさんを選ぶ時のポイントなんてあったりするのでしょうか?
改めて聞かれると難しい質問ですね(笑)。
そうですね、やはりその企画のムードに合っている方。さらには、自分のエゴを通しすぎない方をお願いすることが多いですね。
もちろんお願いする方の作風は尊重した上でですが、スタッフ全員の話に耳を傾けられる人にお願いすると、全体的にいい雰囲気の絵になります。
ページや作品は1人で作るものではないので、みんなの力を引き出せる方にやはりお願いしたくなってしまいますね。