Z世代のスター発掘! ハイトーン隆盛の時代にあえてレディースパーマを推すNORA Journey石川 元(いしかわ げん)さんのセルフブランディングとは?

 

SNSでの競争がどんどん激しくなっている近年。デジタルネイティブ世代の若手美容師たちは、どんな武器を持って激しい競争の中を勝ち抜いているのでしょうか?

今回は、NORA Journeyのトップスタイリスト石川 元(いしかわ げん)さんです。Instagramではパーマスタイルを打ち出してフォロワー数1.2万人の石川さん。おしゃれな写真が多い石川さんのInstagramですが、取り組み始めた当初は“おしゃれ”がわからず、モデルさんに対する引け目もあったそうです。それをどのように克服したのでしょうか。おしゃれなブランディングを目指したいけれど伸び悩んでいるという美容師さんにぜひ読んでいただきたいインタビューです。

 


 

ハイトーンボブに限界を感じ、打ち出しをパーマスタイルに変更

 

 

本格的にSNSに取り組み始めたのは、新卒でNORAに入社して3年目。スタイリストとしてデビューしたタイミングからです。NORAでは大体、ジュニアスタイリストになるとお客さまを自分で見つけてくる――いわゆる客ハントをするのですが、新型コロナウイルスの影響で街に出て声をかけることがなかなかできなかったのと、自分からお願いしてお客さまに来てもらうというのが、思い描いていた美容師像とは違っていたんです。そうなると、SNSを活用するのが最善の選択でした。

 

当時、僕はハイトーンのボブを打ち出していました。単純にそのスタイルが好きでやっていたのですが、自分自身がハイトーンでもボブでもないので、限界を感じてしまったんですよね。もちろん美容師なので提案はできるのですが、説得力がない気がして。加えて、これも好みの問題ではありますがボブのようにまっすぐ切る技術ではなく、段やレイヤーを入れるような施術でお客さまを満足させたいと思ったんです。

 

 

そこで、自分が美容師1年目からずっとパーマスタイルだったこともあり、パーマに焦点を当てることに決めました。メンズのパーマとも迷いましたが、先輩から「女性向けの接客スタイルだから、レディースの方が良い」というアドバイスを受けて、レディ―スのパーマスタイルを推すことにしました。

施術で特に力を入れているのは、過去にパーマをかけてうまくいかなかったという方の悩みを解決して、いかにおしゃれなスタイルを作るかということ。正直まだ「パーマが得意」と言っていいのかは迷うところですが、好きな気持ちはずっと変わらず持っています。

去年くらいにようやく自分のスタイルが確立したので、今年はそれを展開して幅を広げていきたいですね。

 

作品撮りを避けていたのは、プロのモデルと向き合う自信がなかったから……

 

 

集客のためにInstagramを始めるにあたって最初にしたのは、作品撮りをすることです。お客さまを載せるというのも考えましたが、僕自身がまだデビューしたばかりだったので、SNSで求められる「かわいさ」を表現するには、どうしたらかわいく映るかを熟知しているモデルさんを撮影するのが近道だと考えたんです。

なので、モデルさんを呼んで作ったスタイルを投稿しようと決めたのですが、実は僕、それまでずっと作品撮りを避けていたんですよね。かわいい人が苦手で。(笑)

 

 

ギャランティが発生してたくさんの美容師さんと撮影しているプロのモデルさんと対峙する自信がなくて、怖かったんです。でも、思い描いていた美容師像――指名のお客さまが絶えない美容師になるには、SNSで集客しなければならない。そのためには目を引く写真をInstagramに載せる必要があり、目を引く写真を撮るためには、作品撮りをしなくてはならない……と、僕にとっては避けては通れない道だったので、苦手でしたがやることに決めました。

作品撮りを始めると、回数を重ねるにつれてだんだん自信もついてきました。

先輩であるディレクターの阿形(聡美)の撮影に参加させてもらうこともありましたし、阿形からは、「男だってメイクできないとダサい!」とアドバイスをされて、社内のメイクのカリキュラムやセミナーなどで勉強したんですよ。

 

 

最初は見当違いのところにメイクブラシを当てたりして本当に恥ずかしい経験もしましたが、今では僕の撮影モデルのメイクは自分で手がけられるようになりました。現場を実際に経験するというのはものすごく大事だと感じています。モデルさんに対する苦手意識も払拭されていきました。

最初から自らの思い描く「かわいい」を表現ができる美容師さんもいると思いますが、僕の場合は違いました。感性が磨かれていない状態から作品撮りを始めて、モデルさんの表情やポーズはもちろん、背景に映り込むおしゃれな空間作りなど、経験を重ねていくことで「どんな作品がかわいくておしゃれなのか」がわかる審美眼を磨いていったんです。

 

>写真に文字入れなし。写っているものの雰囲気で共感してくれる方に来てもらいたい

 

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