新世代エースを探せ!「Belle」若林紀元さん「店長になって自分中心からお店中心になった」
スタッフ全員に数字を開示。給料だって公開しています
-店長になって苦労や辛かったことは?
よく聞かれるんですが、あまり苦労したことや辛かったことはないんですよ。まわりからのサポートもあったので。まったく辛くなかったと言えば嘘になりますが、自分で選んだ道ですし、楽観的に「なんとかなるっしょ」って思っていました。もちろん、店長として、売り上げを上げるための対策などの苦労はありますが、辛いと思ったことはないです。
-具体的にどのような対策をしているのでしょうか。
まずは、「再来率を上げるためにはどのようなことをしたらいいか」ということをスタッフのみんなと一緒に考えて、大きな目標を掲げます。そして継続させていけるように、しくみをつくること。どこのサロンでもそうだと思うのですが、いくら大きな目標があっても、継続していくことって難しいと思うんです。結局、あいまいにしてしまったり、我慢したり、妥協したりなど気持ちで解決してしまうようなことも多い。そうならないためにも、大きな目標に向かって停滞することなく進んでいけるように、アシスタントにもできるだけ数字を意識させるような教育をしています。
-アシスタントに数字を意識させるというのはどういうことですか?
うちのサロンでは、すべての売り上げ、支出など、お店の管理している数字はすべて隠すことなく開示しています。僕も堀之内や飯田の給料を知っていますし、アシスタントも僕たちの給料を知っています。すべての数字を把握することで、サロンの全容を把握できると思うんです。アシスタントであっても全容を把握したとき、細かい具体策や『自分がどのように動けば一番いいのか』ということを考えられるようになると思うんですよ。
-表参道店の店長として、若林さんがとくに意識していることは?
表参道店は「Belle」の一号店。「Belle」というブランドイメージをくずさず、今まで以上にデザインに特化していきたいと思っていますね。そのために、デザインに対する勉強会も多くやっています。アシスタントでも、月に何回かは、自分でカメラを持たせて、ヘア、メイク、ファッションなどすべてを自分でつくって作品撮りをさせています。技術や撮影の現場を見せることも大事だけど、自分で実際やらせる方がより身に付くと思うので。作品を発表する場としては、年に1回づつ全体のフォトコンと表参道店のフォトコンがあります。とくにそれで優勝したから肩書きが上がるというわけではないですが、やはりものすごく勉強になるんです。
-若林さんよりも年上の部下がいらっしゃるかと思うんですが、やりにくさを感じることはないですか?
僕は基本的に体育会系なので、年上の人には敬語を使ったり、礼儀はしっかり守っています。でも実際のところ、年齢は関係ない。いいことは年上だろうが年下だろうが評価されるべきだし、反対に違うと思ったら、代表にだって言います。立場が上になってくると、おのずと選択することが仕事になってくると思うんです。そういうときは、「お客さまのためになるか」「スタッフのためになるか」「サロンの未来のためになるか」を判断基準に選択をしています。
-そういう考え方になったのは、店長になってから?
そうですね。スタイリストになったばかりのときは、サロンのことを考える余裕なんかなくて、とにかく自分のことばかりでした(笑)。代表の2人になにも言われないんですよ。「お前の自由にやっていいよ」って。そうやって自由を与えてもらったからには、それに応えなくちゃいけないと思うし、おのずと責任感が生まれてくるんです。