今すぐはじめよう! 美容師人生をデザインする「目標設定テクニック」
思い込みから抜け出して視野を広げよう。多くのデザイン画像をストックすることでやるべきことや目標が見えてくる─ASSORT TOKYO 本多七菜さん
- プロフィール
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ASSORT TOKYO
スタイリスト/本多 七菜(ほんだ なな)
1991年生まれ。埼玉出身。山野美容専門学校卒業。獨協大学外国語学部卒業。2016年、株式会社Assort 入社。顧客の半数以上は海外のお客さま。さまざまな髪質を知っているからこそ提案できるデザインが強み。英会話も堪能。
─あなたの目標を教えてください。
国籍や年齢にとらわれず、髪を通じて多くの人に出会いたいです! ただ髪をきれいにするだけでなく、新しい情報を得られる場や、相談ができる場としての価値も提供していきたいですね。そして、いつか一スタイリストとして海外で働きたい。「髪が伸びたら切る」ことは世界共通。美容師は、お客さまとface to faceでコミュニケーションをとりながら、そのお客さまの人生の節目を彩ることができる幸せな職業だと思います。
またプライベートでは海外移住が目標です。叔母がフランスに住んでいたり、小さな頃から毎年家族で海外旅行にいったりと海外は身近だったので、物心がついたときには海外に住むのが夢でした。そのために、InstagramなどのSNSツールでは日本人だけでなく海外のヘアサロンや美容師をフォローし、デザインの画像を集めて研究をしています。
─どのようにしてその目標を見つけましたか?
オーストラリアに留学したことがきっかけです。私はもともと大学に通っており、20歳のときにメルボルンへ留学しました。その留学中、いい美容室を見つけられず困ったこと、メルボルンの人々のおしゃれでユニークなヘアデザインやヘアカラーが印象的だったこと、なにより海外移住の夢を叶えるために専門技術を身につける必要性を感じたことなどが重なり、美容師になろうと決意しました。昔から人よりも、人生の中でより多くの人に出会いたいという好奇心が強かったので、美容師はピッタリだと思ったんです。
─目標を見つけるために大切にしていることを教えてください。
こうしなければいけないという思い込みをなくして、既存のデザインやプロセスにこだわりすぎずに柔軟であることです。例えば、アシスタント時代に習うベースカットは基本ですが、その基本通りのプロセスやカットで施術をしたとしてもお客さまに喜んでもらえなければ意味はありません。ヘアスタイルは自由であるべきだし、正解はお客さまの好みによって変化するものです。
私自身、スタイリストになりたての頃は、「違うアプローチもあったかな」「もっとこうすればよかったな」と、毎日自分の頭の中で悩んで施術をしていました。でも、大切なのは目の前のお客さまのことを考えてコミュニケーションすること。そう意識を変えて取り組むようにしたところ、視野が広がり、自分の強みや課題が見つかりました。お客さまの髪質やライフスタイルに合わせつつ、遊び心のあるカットやカラーの提案もできるようになったので、着実にお客さまが増えはじめました。そうして気がついたらサロンワークが楽しくて仕方がなくなっていたんです。やり方などの外面にこだわらず、自分は何をしたいのか本質的なところに立ち返ってみると、柔軟性が得られて、やるべきことが見えてくると思います。
─目標をより具体的にしていく方法を教えてください。
仕事が終わった後に、その日の出来事や1日の流れを頭の中で復習するようにしています。まず、お客さまの好みの系統やこだわり、施術の際に注意すべき点などを電子カルテに記入します。その後、その方の好みに合いそうなスタイル、今後挑戦されそうなスタイルの画像をPinterestで探し、フォルダに分けて保存。その日のうちに画像を探すことで、今後どのようなデザインが提案できそうか、それを再現するために自分にはどのようなスキルが必要なのか認識しています。さらに、次回のカウンセリング時にそのまま画像を見せて提案ができるので便利。お客さまから持ち込みのデザインがある場合は、それを後で深掘りして自分なりに課題を発見するなど、次回の施術へつなげられるようにしています。
─目標に向けて取り組み続けるため、モチベーションを維持する方法を教えてください。
お客さまの喜んでくれる姿を見て、モチベーションにつなげています。美容師は自分の仕事に対する反応や結果を、直接見て感じることができるので、それが私にとってのやりがいの一つなんです。また、お客さまの持ってきてくれるヘアデザインも刺激になりますね。お客さまの期待に応えたい、真摯に向き合いたいという気持ちを大切にしています。
あとは、とにかく楽しむこと。お客さまの髪質や骨格、普段の手入れのしやすさを考えてカットすること、ファッションや好みに合わせてカラーやパーマをデザインしていくことを、まずは美容師が楽しむ。ASSORTでは撮影の機会が多くいただけるので、それも楽しむ。実際、自分たちで企画を考え提案し、一から物づくりができることはやる気が生まれますね。楽しさは、目標に向かう推進力になると思います。
─これから目標を見つけようとしている美容師さんへアドバイスをお願いします。
私自身、初めから自分の理想像が具体的に決まっていたわけではなく、働いていく中で徐々に作っていきました。お客さまやお店の方向性など、働いている環境から気づきを得ている部分が多いなと感じるので、「自分がここにいたい」と思える場所に身を置くことも大切かもしれません。そして、美容師でも、ほかの分野の仕事の人でもいいので、こんな人になりたいとか、こんな働き方をしたいと思える人を見つけてみてください。人生のうちで働く時間は多くを占めるので、素直な自分の気持ちと出会い、目指す先を見つけて、楽しく誠実に働きたいですね!
>LINDO TOKYO miyuさんが実践している目標の見つけ方とは?