フォロワー21万人美容師 水野年朗さんに聞く、ヘアアレンジの本当の意味 後編
SNSの前にサロンワークのクオリティが大切
水野さんがこれほどSNSで才能を発揮できるのは、これまでの積み重ねとして、ミクシィ、アメブロ、フェイスブック、インスタグラムなど、新しいSNSが生まれるたび、早期から積極的に取り組んできたからだという。「ブログもフェイスブックも、いつかは役に立つだろうと思って毎日書きました。だから、今もコンテンツを作るのにそれほど苦労しないんです」と語る。
ただし、ブログスキル以前に重要なのは、サロンワークのクオリティだという。
「年を重ねてサロンワークのクオリティが上がったから、SNSなどの活動が可能になった」という水野さん。技術スピードを上げ、お客さまを獲得し、後輩をしっかり教育してきたからこそ、水野さん自身に時間が生まれるというのだ。
「例えば、集客のためにカット料金を下げたとします。うまくお客さまが増えたとしても、時間はどんどんなくなっていきますよね。すると、ヘアアレンジの動画を撮ったりという余裕はなくなっていくんです。サロンワークの質を上げてこそSNS活動が生きると思っています」
さらに言うと、美容師がサロンワークでお客さまに触れられる人数、時間には限度がある。それ以上のお客さまに自分の知識、ノウハウを伝えたいと思ったとき、セミナーやSNSなど「教える」というステージが必要になる、と考えている。
「自分が教えるセミナーやオンラインサロンでノウハウをお教えするのは、自分の経験を皆さんに還元したいという思いがあるから。自分を成長させてくれたこの業界に恩返しがしたいんです。僕が松山という場所から発信しているということも、地方の美容師たちへのヒントになればと思うし、四国の美容業界を盛り上げたいですね」
水野年朗さんに聞く
SNSに関する3つのQ&A
Q 美容師にとってInstargramとは?
A 消費者目線に立てる練習の場です
Instargramって見ている人にとっては「知りたいものを見たい」メディアなんです。だから、徹底的にお客さま目線、消費者目線に立つ練習だと思った方がいいですね。美容師の自分が何を提供できるのか考え、実践できる場所だと思います。僕の場合は、「ヘアアレンジが好きなお兄さんなんやな」と思ってほしいから(笑)、自分のサロンメニューのこととか、キャンペーンのこととか、集客に関わる情報はほとんど書きません。
A Instargramを始めたきっかけは?
Q お客さまへのフォローからでした
お客さまにスタイリングを教えても一回では覚えられない方が多くて。SNSならいつでも誰でも見れるから役に立つかなと思ったのがヘアアレンジを載せるようになったきっかけです。Instargramで反響が出始めてから、お客さまから「私の美容師だってみんなに自慢したいから、もっと有名になってほしい」と言われて、Instagramでフォロワーが増えることもお客さまが喜んでくれることなんだなと思いました。
A やっぱり知りたい! 鉄板の人気コンテンツは?
Q 誰でも手に入りやすいヘアアクセサリーが人気
GU(ジーユー)で買ったヘアアクセサリーを使ったヘアアレンジが根強く人気です。全国どこででも買えること、低価格なので新しいテイストのアクセサリーでも気軽に挑戦しやすいことが要因だと思います。他にも、お客さまの声やフォロワーさんのコメントなどに答える「お悩み解決」、着物や帽子に合うアレンジなど、季節的にニーズが高まるテーマも取り入れるといいと思います。
- プロフィール
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水野 年朗さん
愛媛県出身。地元の美容学校を卒業後、愛媛のTWiGGY に入社。26 歳で店長になり、現在は取締役でありながらも月350 万円を売り上げるトッププレイヤーとして活躍。「簡単にできるヘアアレンジ」という顧客のリクエストに応えるため、ブログやインスタグラムにて、アレンジのHOW TO を紹介したところ予想以上の反響に。美容業界で生き残る方法を指導する講習を行っている。今年5 月にはオンラインサロン「turning point」開始。Ameba 公式トップブロガー、C CHANNEL 公式クリッパー。
TWiGGY
http://twiggy-hair.com/
(リクエストQJ 2018年1月号掲載 取材・文/リクエストQJ編集部 撮影/泉山 美代子)
re-quest/QJ 2018年2月号(1月15日発売)表紙は、Sumireさん!
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