あのMINXで2年連続で新規指名No.1! 秘訣はSNSで「好き」を突き詰めた結果だった?! 凄腕美容師 松下ひとみさんに「いまどきの売れるコツ」を聞きました
掲載するスタイル写真はターゲットと売りを明確にする
-松下さんはMINX内で後輩のスタイル撮影をアドバイスされたりしていますね。若手スタイリストが陥りやすい失敗ってありますか?
若いスタイリストの場合、ヘア、メイク、ファションがチグハグなスタイル写真が多いです。ヘアスタイルはロングの巻き髪でとてもスイートなのに、ファッションはバリバリのモードとか。誰に訴えかけているのかがまったくわからない、つまりどんなテイストの女性像をターゲットにしているのかが不透明になっているのです。
慣れていないうちはすべてを全力投球でやってしまうので、バランスを失いがちです。そのようなときは、「雑誌で言うと、○○みたいな感じ」というようにターゲット設定を明確にしたらいいと思います。そしてこの雑誌を読んでいる女性たちが好きそうな雰囲気、自分がこの雑誌を読んでいたらどんな髪型をしたいか、という具体的なところからイメージを膨らませて、ヘア、メイク、ファッションをまとめていくと、チグハグになりにくいのでは、という気がします。
-ターゲットを絞ることが重要なんですね。
そうですね、でもそれだけでもダメ。同時に自分の「ウリ」をつくることも重要。これがないと指名につながりにくいと思います。
私の場合、それがボブです。ウリにしていこうと明確に決めたわけではないのですが、ボブが好き、自分の髪型もボブ。そして世の中のトレンドもボブいうことが重なり、ボブスタイルを多く載せていたら、ボブの方やボブに切りたい!という方から多く指名をいただけることになりました。お客さまに「松下さんってボブが得意なんでしょ」と言われて初めて自分のウリに気づいたわけですが(笑)。
-やみくもにスタイルをつくるのではなくターゲットとウリを明確にすることが新規客獲得につながるということでしょうか?
そうだと思います。ただし、私がきちんと戦略を練ってやってきたかというと、そういうわけでもなくて……。ターゲットを絞り、ウリを明確にするというのは、結果論です。私は自分自身が好きだな、かわいいと思うものをつくり続けた結果、同じ感覚を持っている女性が支持してくれました。そして、支持してくれるのはなぜだろう? と思って分析した結果、ターゲットとウリという答えにたどりついたのです。