好奇心を解き放ち、衝動的に動きまくれ!それが20代の特権だ 〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき7つのこと」〜 MASA GINZA HAIR 大川 雅之
3つ目:良い手本、悪い手本を見つける
僕がまだ美容業界に入ったばかりのころは、ちょっと「尖った」スタイルがかっこいいとされる風潮がありました。
先輩の美容師がお客さまの要望を無視して、尖ったカットをして、結果、泣かせてしまったことも。お客さまが泣いていたとしてもいいデザインを作ったのだからいいんだという風潮すらありましたね。
でもどんなに個性的なデザインを取り入れても、結果が伴わなければ、ただの売れない美容師。実際、周りを見ても、お客さまに支持される美容師は、技術とデザインのバランスをきちんと取れる人ばかりでした。
ただかっこよく見せるだけでなく、デザインや技術がしっかりと噛み合い、お客さまに喜ばれることが大事なのだと気づくことができたのは、よい経験だったと思います。
4つ目:リアルにこだわる
僕はアシスタント時代からウィッグを使わず、常に実際の髪で練習していました。ウィッグと実際の人間の髪は、髪質や生え方が全く違います。人の髪は、個々によって太さや硬さ、クセなどが異なるため、同じカット技術でも仕上がりに違いが出ますよね。直毛ならテンションつけて切っても綺麗に落ちるけど、癖毛だと落ちずに浮いてしまう。
人頭カットをすることで、これらのバリエーションに対応するスキルが身に付くと思ったので、モデルさんを呼んでカットすることにこだわっていました。
当然ですが、人の髪ですから、失敗はできません。緊張感がありますが、だからこそうまくなると思っていました。リアルな緊張感やその場の雰囲気を感じることが、技術や感覚を磨くのに一番早い方法だと僕は思っています。
今はYouTubeなどにカット動画がたくさんあるからそれを活用するのはいいんだけれど、見ているとなんとなくできるような気になってしまうもの。実際に手を動かして学ぶのとは雲泥の差です。