まずは、美容師としての”基礎体力”をつけること。そうすれば、見える景色が変わってくる。〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき6つのこと」〜 CANAAN 長崎英広
20代は美容師として、社会人として花開く土台を作る時期。長く、自分の思う美容師を続けるためには20代のうちにやっておくべきことがあるはず…!
そこで美容業界のレジェンドと呼ばれる方々に、「これをやったから今の自分がある」「今の時代の20代だからこそやるべきこと」など、今後の美容師人生を豊かにするためのヒントを語っていただきました。
今回は20年近く業界でカラーを牽引し、年間最大120本ものセミナー活動を行ってきたCANAAN(カナン)代表・長崎英広(ながさきひでひろ)さん。長く活躍できる美容師になるためには、どのような心がけと行動が大事なのか、20代に向けて熱く語ります!
1つ目:やるべきことに手を抜かず、”徹底的に”やろう
業界で飛び抜けて活躍している人に共通している要素のひとつは、基礎体力だと思うんです。僕が言う基礎体力は、美容人生の中でやるべきことを”徹底的”にやった期間があるということ。美容師は技術者ですから、まずは技術をしっかり身につけるために、シャンプーから始まってカラー、カット、パーマなど、習得すべきことをきちんと身につけることが必要です。“徹底的”というのは全力を注ぐということ。単にサロンのカリキュラムだけをこなしたり、言われたことをやっているだけでは平均値以上にはなれません。それ以外に、プラスアルファの努力や工夫が必要です。
時代はどんどん変わっていきます。集客法はビラ配りの時代から雑誌になり、ウェブ、SNSと移り変わってきましたが、どんな時代を生きてもやるべきことは同じで、全身全霊でやる。それを経験すると、30代、40代と年を重ねても荒波を乗り超えることができて、人生が妙な方向にいかないんですよ。徹底的にやることで感覚が研ぎ澄まされ、見えなかったものが見えるようになり、チャンスも生まれるからです。
僕の話をしましょう。20代のときに人気サロンで厳しいサロン教育を受けましたが、スタイリストデビューした時代は90年代後半、ミルクティカラーが流行った時代でした。社内にはブリーチ教育がなく、メーカーにも今のようなブリーチ商材がなかったので、業界誌などを読み漁って研究し、独学で技術を習得しました。業界誌からの依頼で営業時間外に毛束を1000本染めて、厚紙の上に貼ってメモを書くという作業をしていたことも。他の美容師さんは染めた毛束をダンボールにガサッと入れて編集部に送っていたから、丁寧さが認められたことも。そうして地道な努力やつながりによって業界誌に注目され、世の中に名を馳せるチャンスを掴みました。がむしゃらにやっていれば、チャンスは必ずやってきます。