誰もが迷う時代、本物の美容師になるための心がまえ 〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき7つのこと」〜 DADA CuBiC古城隆
6つ目:結果を求めて焦らず、努力し続けよう
美容師の仕事はすぐには結果が出ないものです。20代のうちに結果が出ないというのも普通にあることだと思います。同期や同年代と比べて、自分が劣っているように思えることもあるかもしれません。でも、人が花開く瞬間はひとそれぞれ。一気に大輪の花を咲かせることもあります。
僕はヘアコンテストなどで評価をさせて頂く立場でもあるのですが、心に訴えかけてくる作品と出会うことがあります。一方で正直「表面的だな」と感じてしまうものも多い。訴えかけてくる作品には、作り手の生きざまや、積み重ねてきたもの、メッセージ性があり、1枚の写真からエネルギーが伝わってきます。20代の積み重ねや、生きざまは、クリエイションににもじみ出てくるものなんです。
だから結果が出なくても、挑戦し続けてほしい。20代には失うものなんてないですから。失敗することで痛みを知ることができることも財産になると思います。
7つ目:本当のやさしさとは何か考える
僕たちの仕事において、「本当の優しさって何だろう」と常に考えることがとても大事です。お客さまに優しく、スタッフにも優しくということも表面的な話ではなく、「お客さまに本当に喜んでいただくにはどうしたらいいのだろう」「後輩の成長を考えたらどんな言葉をかけて接することが適切なのだろう」と踏み込んで考えます。すると、相当努力しないとお客さまに喜んで頂くことができないし、後輩の成長を考えたらただ寄り添って優しくすることだけではないことに気づくわけです。だからこそ、みなさんにも「本当の優しさとは何か」を考えてほしいですね。
- プロフィール
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DADA CuBiCクリエイティブディレクター
古城隆(こじょうたかし)
2000年DADA CuBiC入社。02年三都杯グランプリ受賞。05年よりD.D.A.講師を務める。これまで多くの業界誌にて連載ページ・作品ページを担当。2011年には故植村隆博氏との共同著書「Basic Cut Bible vol.1」を新美容出版㈱より発刊、2013年には「正確なフォルムコントロールのための スライス徹底マスター」を㈱女性モード社より発刊。2019年および2021年Japan Hairdressing Awardsにおいてグランプリ獲得。
(文/外山武史 撮影/菊池麻美)