いい習慣をつくろう。外から日本を眺めよう。そして、Loveを感じよう。 〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき8つのこと」〜 第4回 Of HAIR古里オサム
6つ目:一流の美容師を目指すなら、スマホを使いこなそう。
僕はサロンの広告の素材も、自分の携帯で撮っています。みなさんも、自分の姿も、作品も、どんどんメモするつもりで、撮影したほうがいいです。
今のスマホには百科事典が何冊も入るくらいの性能があるし、AI機能も使えますから、仕事の友としてください。
ちなみに、昨年、帝国ホテル内にオープンした店舗「GRANCLUB Of HAIR」は、僕がAIで候補を出して名前を決めたくらいですから。
7つ目:ファッションを学び、デザインの裏付けを知る習慣を身に着けよう。
時代を感じる素材は身の回りにあります。若い人は洋服を勉強するといい。ミラノコレクションやパリコレクションをネットで見ることもできますから、ぜひ見てみて。洋服とヘアは切り離せませんから。
今だったらウクライナの戦争や、地球温暖化があって、能登半島の地震があって、コロナが明けたような明けていないような感じがありますよね。これもデザインソースです。「黒地に花柄だから、反戦のメッセージですね」とか、「ボーダーのお洋服にも反戦の意味があるんですよね」とか、わかっているといい。肩パットが入ったジャケットは、戦う女性の意味があるし、パンツに大きなポケットがついていたらそれはアーミーを想起させる。実はいろんなデザインが、今の世界観を表現しているわけです。そういう意味で、デザインの裏付けを知る習慣を身に着けることも大事なことなんですよ。
8つ目:さまざまなLoveのかたちを知り、人を好きになりなさい。
今年の1年生は、高校生のころからコロナが始まり、人生で一番多感な時期に、黙食や自宅待機を強いられて育ってきたと思います。ソーシャルディスタンスじゃないけれど、人と距離を取って生活してきた時間が長いと思うから、「人を好きになりなさい」と伝えたいですね。
「相手の気持ちになること」
やはり、コロナ禍は異常。マスク越しにコミュニケーションをとるのも難しかったと思う。だから、Loveが不足しているんじゃないかな。
抱き合ったり、相合傘したりするのもいいし、鏡の中にいる自分を見つめるのも自己愛だからそれもいい。Loveのかたちはいろいろあるんだよということを知ってほしいです。
- プロフィール
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Of HAIR
代表/古里 オサム(ふるさと おさむ)
オブヘアー、オブ・コスメティックス代表。ヘアにとどまらず、自ら撮影した作品を元に、グラフィックデザイン、パッケージデザイン、コピーライティング、空間デザインなど多くの作品を発表。人との繋がりを大切な財産と捉え、サロンワークにこだわり、セミナー、ヘアショー、撮影、化粧品開発など多岐にわたり活動する。ジャパンヘアドレッシングアワードなど多くのコンテストの審査員を歴任。Youtube上の『JAPAN HAIR COLLECTION』の実行委員長。『アカデミー オブヘアー』主宰。美容師のためのバイブルと称される書籍 『伝・Den』など、出版も多数。
Instagram:@furusatoosamu
2024ジャパンヘアコレクション :https://youtu.be/epP2V_5xVHk
(文/外山武史 撮影/菊池麻美)